今ではおなじみのメニューも、発祥のお店がある。ルーツや料理に込められた想いを知ると、もっとおいしく味わえる。
『井泉本店』のかつサンド
地元に愛される、伝統のひとくち
できたてのかつサンドは、湯気が消えないうちに、熱々のものをパクリ。“しっとり柔らか”でほんのり甘いパンと、ソースが絡んだ“サクッ”なかつが、絶妙。昭和5年に創業したとんかつの「井泉本店」は、当時から庶民に愛され、とんかつやかつサンドをはじめ、今でも変わらぬ定番メニューが人気だ。湯島天神に参拝した受験生が、願掛けも兼ねて“かつ”を食べにくることも多いそう。「地元の人に愛され続けるお店」を心がけ、誰にとっても落ち着ける味わいと佇まいが魅力だ。
カウンターに囲まれた厨房は、仕込みから揚げる作業まで、お客さんの目に触れる。「品のある所作であるよう、心がけていますね」と、料理長の冨永さん。
かつ、たまご、シャキシャキの胡瓜とかにのサラダがぎっしり 三色サンド 1350円(税込)
発祥の由来は…?
「創業当時、花街として賑わっていたこの地で“芸者の口元が汚れないよう、お座敷の合間に食べられるよう”という気遣いから生まれたのが、『かつサンド』です。パンは一回り小さいサイズに特注し、食べやすさにこだわったといいます」
ISEN HONTEN
文京区湯島3-40-3
[TEL] 03-3834-2901
[営]平日 1 1:30~20:50(L.O. 2 0:30)
日・祝 1 1:30~20:30(L.O. 2 0:20)
[休]水(祝日の場合は営業)