《音楽日々帖》注目の新人アーティスト


 4月(号)は音楽シーンに新風を吹かせるニューカマーを紹介します!

 サンファの『プロセス』は間違いなく今年の最重要デビュー作の1枚。HIPHOPやR&B界隈では「名も無き新人でも才能があれば抜擢する」という素晴らしい文化があります。去年だけでもカニエ・ウエスト、ソランジュ、フランク・オーシャンの作品に客演しているサンファ。もともとトラックメイカーの彼はHIPHOPの素養があり、シルキーな歌声も武器。さらにピアノと西アフリカの楽器「コラ」が温もりを加える本作は、一度聴けば彼の才能が一つのジャンルでは括れないということが、はっきりと分かります。

 「ニュー・ウェイヴへの憧れを素直に奏でました!」みたいなサウンドに魅了されてしまったUKのテンフェ。光は闇があるからこそ眩しい。だからこそ、痛みを伴おうとも格好悪くなろうとも光を追い求めんとする、そんな切実な愛が『ヒット・ザ・ライト』の命題のもと一貫して歌われています。

 2017年の米国エンターテイメント界ではスーパーボウル、グラミー賞、アカデミー賞と「社会の不寛容さや大統領の言動に対して、どうにかこの状況を打破しなくては」という試みが続いています。その動きに加勢する存在となりそうな新人がムーナです。全員がセクシャル・マイノリティで、パワフルにメッセージを発信しているスリーピースバンド。80年代ポップの香りをまとった応援ソング「I Know a Place」からは、傷ついた人に寄り添うシンディ・ローパーのスピリットを感じました。

 ニューカマーたちのフレッシュな活躍に、どうぞご注目を!

SAMPHA 『Process』

サウスロンドン出身のR&Bシンガー/プロデューサー。昨年は多くの大物アーティストの作品に客演。本作収録の「Timmy’s Prayer」はカニエ・ウエストとの共作。フジロックに出演決定

BEAT RECORDS 2017

TEN FÉ『Hit the Light 』

ロンドン出身の男性インディーポップ・デュオのデビューアルバム。ユニット名はスペイン語で「信念を持て」という意味。ジャケットの絵は太陽の光がモチーフになっている

輸入盤 2017

MUNA『About U』

2013年に南カリフォルニア大学の同級生で結成されたダークポップ・バンドのデビューアルバム。ボーカル/リードギター/リズムギター&シンセサイザーという構成の女性3人組

輸入盤 2017


selection&text:稲葉智美(いなば・ともみ)

ラジオD Jとして活動するほか、BGM選曲やナレーションを手がける。フェスとライブを愛する音楽女子。4月からJ-WAVE『ZAPPA』(毎週土曜AM5:00〜6:00)を担当します! 

Twitter: @tommyjan15





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