「梅雨よ、来てくれるな」と青空に向かって念じたくなるほど最高に気持ちのいい季節。5月は快適な陽気に似合う、上機嫌なサウンドを集めました。
運転が苦手な私は、ドライブに出かけるともっぱらBGMの選曲担当に徹するのですが、そんな時、ウエストバウンド・トレインのアルバムは何度かけたか知れません。春から夏にかけてのお出かけや、BBQのBGMにもってこいです。スカが中心ですがソウルやレゲエもあり、とにかくご機嫌。そのうえ寅さんみたいな、ちょっと情けない「男はつらいよソング」がいっぱいです。これをかければ、その場のみんなを笑顔にできる魔法の1枚です。
ドミンギーニョスというアコーディオン奏者は、近年ブラジル音楽の名盤が一挙、しかも1枚1000円で発売されたことがきっかけで知りました。フランス音楽のアコーディオンともまた違った趣で、リラックス感のある美しい旋律と優しい歌声が、晴れた朝を彩ってくれます。あとは美味しいコーヒーがあれば最高ですね!
キューバの若き才能ダイメ・アロセナを見たのは2015年のフェスで初来日したとき。20代前半でまだ1枚しかアルバムを出していないにもかかわらず、自由大胆な表現力と無限のエネルギーとを兼ね備えた貫禄のボーカルにぶっ飛びました。そして2017年、セカンドアルバム『キューバフォニア』を聴いてもう一度ぶっ飛びました。ビッグバンドの演奏にのせてキューバ土着の極彩色なグルーヴが全開。陽のパワーがあふれたこのアルバムは、この夏ヘビロテ確実です!
WESTBOUND TRAIN『Come and Get It 』
アメリカ・ボストン出身のスカ、レゲエ、ソウルバンドの通算4枚目のアルバム。スカタライツ、スペシャルズ、オーティス・レディング、ウェイラーズのサウンドが好きな方は必聴!
DOMINGUINHOS『Domingo MeninoDominguinhos』
ブラジルを代表するアコーディオン奏者。ジルベルト・ジル、トニーニョ・オルタ、ヴァギネル・チゾなどの名手とともに発表した1976年の大傑作がCD化
DAYME AROCENA『Cubafonía』
キューバを拠点に活動する女性シンガーのセカンドアルバム。古き良きキューバ音楽への回帰を匂わせながら、ビッグバンドを大々的にフィーチャーした意欲作
selection&text:稲葉智美(いなば・ともみ)
ラジオDJとして活動するほか、BGM選曲やナレーションを手がける。フェスとライブを愛する音楽女子。J-WAVE『ZAPPA』ナビゲーター(毎週土曜AM5:00〜6:00)
Twitter: @tommyjan15