《睡蓮》(部分)1897-98年頃 ロサンゼルス・カウンティ美術館/Los Angeles County Museum of Art, Mrs. Fred Hathaway Bixby Bequest, M.62.8.13, photo © Museum Associates/LACMA

展示作品、すべてがモネ「モネ 連作の情景」上野の森美術館で開催中!

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上野の森美術館で開催中!
モネ

現在開催中の展覧会「モネ 連作の情景」。ナビゲーターを務める俳優・芳根京子に展覧会の見どころについて話を聞いた。

モネの目を通じて、景色を見る

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展覧会ナビゲーター
芳根京子

2013年にフジテレビ系ドラマ『ラスト♡シンデレラ』で女優デビュー。2019年3月、映画『累ーかさねー』、『散り椿』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2024年1月公開映画「カラオケ行こ!」出演予定。


フランスを訪れ、私が感じたこと
 本展のナビゲーターは、俳優の芳根京子さん。音声ガイドも務める彼女は、収録前にモネゆかりの地を訪ねた。

 「今回の旅では、モネが生前過ごしたジヴェルニーを訪れました。オランジュリー美術館で、『睡蓮』も鑑賞しました。彼が実際に目にした風景の前に立ち、その情景を描いた絵も見てきました。彼の連作は、同じ場所で描かれ、同じ時間帯に描かれたものもある。でも、どれとして同じではない。彼の状態も表れている気がします。モネの目を通して見る、景色なんです」

 モネがたどり着いた「連作」という表現手法。彼は同じ場所やテーマを、異なる時間、異なる天気や季節に描いた。一瞬を切り取るのではなく、連続したイメージの中でモティーフを表現する。その視覚体験は、時間と空間を体験するということとも言える。

 「彼が描いた場所は、すごく特徴があるわけではありません。当たり前の日常や時間を、連作という手法で描き、特別なものとして表現する力がある作家なんだと思いました。旅を通じて、モネの人生も知ることができました。とても有名な作家だけれど、彼にも挫折や葛藤があった。そこに人間味を感じて、どこかホッとしたりもして。そういった知識とともに絵に向き合うと、より深い鑑賞体験ができるということを今回学びました。もちろん、知識なしでただ向き合ってもいいと思います。彼の絵からは、心地いいエネルギーを感じられるはずです」

 音声ガイド初挑戦となる芳根さん。鑑賞の妨げにならないよう、けれど現地で感じてきた空気感を伝えられるよう心がけたという。彼女の声に誘われながら、連作の情景に思いを馳せたい。


解説ナレーターは、
声優の下野紘さんが担当!

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芳根京子さんとともに作品を解説するのは、声優の下野紘さん。モネの描いた連作の情景へと彼の声が誘ってくれる。


60点以上の展示すべてが
クロード・モネ作品

 1874年にパリで行われた第1回印象派展から150年を迎えることを記念して開催されている「モネ 連作の情景」は、モネの連作絵画に焦点を当てた展覧会。時の移り変わりに着目したモネは、同じ場所やテーマを異なる天候、異なる時間、異なる季節を通じて描き、「連作」という革新的な表現手法により発表した。展覧会は5章構成で、印象派以前の作品から睡蓮やジヴェルニーの庭といった後半生に描いたさまざまな情景までを展示し、モネが「連作」に至るまでの過程を追う。国内外40館以上から集めた、日本初公開作品を含む展示作品約60点は、すべてモネが描いたもの。モネ芸術の真髄をとことん堪能できる。

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《エトルタのラ・マンヌポルト》1886年 メトロポリタン美術館/Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY. Bequest of Lillie P. Bliss, 1931 (31.67.11)

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《ラ・マンヌポルト(エトルタ)》1883年 メトロポリタン美術館/Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY. Bequest of William Church Osborn, 1951 (51.30.5)

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《ウォータールー橋、曇り》1900年 ヒュー・レイン・ギャラリー/Collection & image © Hugh Lane Gallery, Dublin

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《ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ》1904年  ワシントン・ナショナル・ギャラリー/© National Gallery of Art, Washington. Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.27

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《ウォータールー橋、ロンドン、日没》1904年  ワシントン・ナショナル・ギャラリー/© National Gallery of Art, Washington. Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.28

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《睡蓮》1897-98年頃 ロサンゼルス・カウンティ美術館/Los Angeles County Museum of Art, Mrs. Fred Hathaway Bixby Bequest, M.62.8.13,   photo © Museum Associates/LACMA

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《睡蓮の池》1918年頃 ハッソ・プラットナー・コレクション/© Hasso Plattner Collection

 

Claude Monet
クロード・モネは、印象派を代表する画家。1840年にパリに生まれる。18歳の頃、風景画家ブーダンの助言により戸外で風景画を描き始め、1865年、サロン初入選。1874年、第1回印象派展を仲間とともに開催。1883年よりセーヌ川流域のジヴェルニーに定住。1891年、〈積みわら〉の連作15点を公開。1926年12月5日、ジヴェルニーの自宅で86歳にて死去。



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