「獣道」

【シネマプレビュー】 獣道


 地方都市。幼い愛衣(伊藤沙莉)は、宗教マニアで育児をしない母によって教団に送り込まれる。しかし教団は解散。彼女は中学にもなじめず、犯罪で生計を立てる一家や会社員家庭を転々とするが、居場所が見つからない。そんな愛衣に好意を寄せる亮太(須賀健太)もまた、居場所がなく、町を出ることだけを夢見るが…。

 「下衆(げす)の愛」の内田英治監督作品。序盤は、宗教まみれの愛衣の生活や、極端に狭い世界に生きる不良たちの生態がコミカルに描かれる。しかし、彼らがいかに切実に自分の居場所を探し求めているかが徐々に明らかになってくる。愛情に飢え、すさんで童顔に影が差していく愛衣。不良になりきれず、愛衣を支えられない亮太。けんかは無敵だが狭い世界に飽きてしまった堅太(アントニー)。寂しさから狂気に染まる佑二(吉村界人)…。クセの強い登場人物を若手俳優がそれぞれに好演していて見応えがある。亮太の「それがどんな場所であろうと、僕たちには居場所が必要なのだ」という言葉が胸を打つ。

続きは、http://www.sankei.com/entertainments/news/170707/e...





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