まさに家が主役と言っていいだろう。13日に東京・渋谷ユーロスペースで公開の「わたしたちの家」は、同じ1つの家を舞台に全く別の2つの物語が紡がれるという異色作だ。昨年のPFF(ぴあフィルムフェスティバル)でグランプリを受賞し、今年2月のベルリン国際映画祭フォーラム部門にも選出されるなど、世界が注目している。
手がけたのは、現在25歳の新鋭、清原惟(ゆい)監督。東京芸術大学大学院の修了作品として撮り上げた。
「複数の物語が接点もなく進んでいって、最後まで見ると一つの映画になっているというものを撮ってみたかった」と話す清原監督によると、ヒントにしたのはフーガという音楽形式だった。バッハの楽曲で有名なフーガは、2声、3声とそれぞれ独立した声部が重なり合って構成され、しかも曲全体では一つ一つの声部が影響し合っている。
