羽海野(うみの)チカの人気漫画を映画化した「3月のライオン 前後編」(大友啓史監督)は、孤独な17歳の天才プロ棋士、桐山零(きりやま・れい)が対局や人々とのふれ合いの中で、成長していく過程を描く。「どんなに孤独でも、誰かが必ず自分を見ていてくれる」と語る、主役の桐山を演じた俳優、神木隆之介(23)に話を聞いた。
ふとにじみ出る孤独を
高校生プロ棋士の桐山が、対局で幸田(豊川悦司)を破った。9歳で家族を亡くした桐山を内弟子として育てたのが、幸田その人だった。
幸田は、ともにプロを目指した自身の長女、香子(有村架純)と弟、歩が桐山に勝てないのを見てとって2人の子供には将棋を断念させてもいた。2人の気持ちを察して家を出ていた桐山が、幸田を破ったことで心の均衡を失い…。
実は神木自身、幼い頃から将棋が好きで、原作のファンでもあった。が、「桐山というキャラクターはつかみにくかった」と明かす。
