日本を代表するシンガー・ソングライター、井上陽水(69)が4日に発売した映像作品。DVDとブルーレイの2種類があり、昭和61年から今年までに行われたライブ映像など15曲が入っている。時を経ても全く色あせない言葉を生み出す手腕には恐れ入る。
1曲目は平成21年の東京公演で歌ったヒット曲「少年時代」だ。夏が過ぎ行く状況を表した内容で、哀愁とロマンがあふれる旋律が耳に残る。弦楽器やピアノなどの柔らかい音色と絶妙に絡み合う軽やかな歌声により、“陽水ワールド”にぐいぐいと引き込まれた。
代表曲「飾りじゃないのよ涙は」や「氷の世界」は字幕入り。“魔力”を発揮する歌詞の世界にどっぷりと浸れる。「涙」の意味が曲ごとに異なるのが興味深い。肩肘をはらない甘い歌声で唯一無二の道を突き進む巨匠の豊かな表現力に脱帽した。