今回訪れたのは、渋谷に新しく誕生した「マスタードホテル」。聞けば“街を楽しむための場”なんだとか。詳しい話を、THINK GREEN PRODUCEの関口正人さんに聞きました。
小木:今月号のオギノマは、9月にオープンした「渋谷ブリッジ」からお届けします。ゲストは、この施設をプロデュースした、THINK GREEN PRODUCE(以下TGP)の関口正人君です!
関口:よろしくお願いします。
小木:TGPは、商業施設や飲食店のプロデュースやコンサルティング、オペレーションなどを通じて、いい街づくりを実現する会社。そんなTGPがはじめて手がける「マスタードホテル」も、この「渋谷ブリッジ」にオープンするんだよね。今日はそのホテルについて詳しく話を聞かせてもらいます。そもそもこの場所って、元は線路だったんだよね?
関口:そうそう。「ログロード代官山」もそうだけど、もとは東横線が走っていた跡地で、「渋谷ブリッジ」の中には、ホテルの他に、こども園やオフィスも入っています。
小木:だからデザインも駅っぽいんだ。ベンチがあったり、グラフィックも駅のサインっぽいよね。
関口:建物周りのデザインはTRIPSTERにお願いしたんだよね。カテゴライズが難しいホテルではあるんだけど、僕らは、ここをビジネスホテルとして考えていて、とすると内装にはあまりお金をかけられない。でも、彼らは逆にそこを面白がってやってくれて。
小木:結果、すごいユニークなホテルになったよね。廊下とか真っ白で、部屋もシンプル。でもたとえばスリッパだったりルームナンバーだったり、ちょっとしたとこに入るグラフィックがいいアクセントになっているなと。部屋数はどれくらい?
関口:76部屋。部屋タイプはダブルとツイン。あと、2段ベッドのホステルタイプの部屋も泊まれます。
小木:一番大きな6人部屋は、大きな窓から隣の都営住宅と、バスの操車場が見えて、なんかちょっと東京っぽい。海外からのゲストにも喜ばれそう。あと、1Fのスペースもいいね。いま飲んでるコンブチャも美味しい!
関口:1Fはコミュニティスペースとして、バーとパティスリーとレストラン。日本のビジネスホテルって、宿泊特化型のものが多いんだけど、それだけだと面白くないなと。だから、宿泊者や街の人が溜まれる場所にしたんだよね。
小木:ただ泊まるだけ、ってとこが多いよね。この場所でいろいろなことをやっていくの?
関口:クリエイターズ・イン・マスタードって呼んでいるんだけど、たとえば写真家やデザイナーだったり、いろいろなアーティストに無料でホテルに泊まってもらって、その代わりに何か面白いことをここで発表してもらえたらなと。
小木:宿泊者だけじゃなくて、街の人たちもここに集まってきそう。
関口:そうやって、人が交わる装置としてのホテルをやりたいというのが僕らの考えなんだよね。この場所で、人が交わって、熟成されて美味しくなる。結果、街が良くなっていってほしいなと。〝街を美味しくする隠し味〞、という思いを込めて〝マスタード〞という名前を付けたんです。
小木:なるほどね。いま渋谷って再開発で駅周辺にどんどんいろいろなものが集中してきているから、中心から少し外れたこの辺にマスタードホテルみたいな場所ができるのは逆にいいかもね。
関口:メインストリームのカウンターとして、この場所で面白いことをやっていきたいなと。
小木:僕らとも何か一緒にやりましょう! 今日はありがとうございました!
《THIS MONTH GUEST》
THINK GREEN PRODUCE 関口正人さん
大学卒業後、大手不動産会社へ就職。転職を経て、2008年にTHINK GREEN PRODUCEを設立。多数の施設のプロデュースやブランディング、オペレーションを行う
Mustard Hotel
「マスタードホテル」は、渋谷駅新南口から徒歩5分。部屋タイプはさまざまあり、コンフォートタイプの601号室は、33㎡で最大6名まで宿泊が可能。1室当たりの参考料金は4万8000円
https://mustardhotel.com