ナチュラルコスメ歴がとても長い稲田編集長。実は、小木さんが立ち上げに関わった伊勢丹のBPQCのファンでもあ った。二人の縁の深さに、対談は盛り上がった

《オギノマ》新しいビューティ誌ができるまで


 今月号のゲストは、「kiitos.」編集長の稲田香奈子さん。新しいタイプのビューティ誌を作り上げた稲田さんに、雑誌誕生までのお話を伺いました。

小木:今月号のゲストは、三栄書房から発行されている雑誌「kiitos.」の稲田香奈子編集長にお越しいただきました!

稲田:よろしくお願いします!

小木:「kiitos.」は、“ヘルシー&ビューティーをテーマ”にしたビューティ誌。けれど同じジャンルの他誌とちがって、誌面にはナチュラルコスメがたくさん登場します。コスメキッチンとは切っても切り離せない存在の雑誌。まずは、この雑誌が誕生した経緯から教えていただけますか?

稲田:もともと私は「FUDGE」というファッション誌のヘアスタイルブックなどの別冊をつくっていました。それが2009年頃のこと。その頃から「FUDGE」読者に向けてコスメを紹介するなら、どんなものがいいんだろうかと考えていて、たどり着いたのが、ナチュラルコスメだったんです。

小木:当時の日本では、ナチュラルコスメを使っている人がまだ少なかったですよね。

稲田:そうですね。でも、ナチュラルコスメって見た目も可愛いし、”自然派“という響きも良かった。理屈じゃなく、ナチュラルコスメは外せないと思っていました。私自身も使っていましたしね。

小木:その編集者のカンが、「kiitos.」の創刊に繋がっていったと。

稲田:はい。2014年の10月に創刊しました。それから年に2回ずつ発行して、現在は6号目まで出ています。

小木:創刊時に、これは売れる!という自信はありましたか?

稲田:実は、発売前にそういったことを感じたことがなくて(笑)。創刊号も表紙モデルが横顔で、タイトルも小さいし、出来上がって社内に搬入されてきた時も評判は今ひとつで…。

小木:じゃあ読者の反響も…?

稲田:いえ、発売後2〜3週間して、すごく売れていると連絡がありました。ビューティだけではなく、ファッションやライフスタイルも楽しめると、特に20代後半から30代の読者から好評だったようです。1号目と2号目は「FUDGE」のムックとして出していましたが、おかげさまで、3号目からは独立した雑誌として出しています。

小木:なるほど。ちょうどお肌や体に変化が訪れる時期の方たちに響いたんですね。僕も、初めて雑誌を見たときに、驚きました。今までになかった切り口の雑誌だなと思いました。

稲田:私自身もビューティ誌から情報を得るタイプではなかったんです。女の子が朝起きて、水を飲んだり着替えたり、メイクをして出かけていく。みんながそうやって1日を過ごしていて、その日常の中に“ヘルシー&ビューティ”な瞬間はたくさんあると思っていたんです。そのことを誌面で表現しようとしています。

小木:稲田さんにとって、”ヘルシー“とはどういう意味を持っていますか?

稲田:自分らしく、ということですね。モテたいとか、誰かの真似ではなく、自分が本当に好きだと思えるものを選びとって使い、気持ちいいと感じる。それがヘルシーということだと思います。これが好きとか今が楽しいという気持ちって、案外見過ごしがちじゃないですか。

小木:コスメキッチンで僕らがやっていることと似ていますね。僕らの接客方針も、お店に来てくれた人たちが、自分にとって必要なものを選べるようにアシストすることなんです。稲田編集長、次号「kiitos.」も楽しみにしています。

稲田:こちらこそ、これからもよろしくお願いします!

「kiitos.」編集長 稲田香奈子さん

美容専門誌編集部を経てニューズ出版(現三栄書房)に入社。「FUDGE(ファッジ」のヘアスタイルブックなどを手がける。現在は、「kiitos.(キイトス)」の他にファッション誌「vikka(ヴィカ)」の編集長も兼任

NEXT ISSUE

稲田編集長が手がける「kiitos.」は、今までに6冊発行。9月23日には最新号のvol.7を発売。特集では、肩こりや便秘など「女性の不調」にまつわるあれこれを取り上げています。





この記事をシェアする

LATEST POSTS