紀中さんの今回の一時帰国はお仕事も兼ねて。一日に何人くらい撮影するんですか?という質問に、「多いときには4 人くらい」とのお答え

《オギノマ》パリジェンヌと日本人の違いとは?


 フォトグラファーの紀中さんの仕事場は、パリの街角。歩く人々に声をかけては、写真を撮影している。彼の目から見た、パリの人々とその暮らしについてお話を聞きました。


小木:今月のゲストはパリからお越しいただきました! フォトグラファーの紀中祐介さんです。

紀中:こんにちは。今日はよろしくお願いします。

小木:紀中さんはパリ在住のストリートスナップフォトグラファー。今までに何人くらい撮影してきたんですか?

紀中:おそらく、3000人くらいにはなるかと思います。パリのストリートスナップなら、僕が一番たくさん撮影をしているかもしれませんね。

小木:紀中さんとの出会いは、以前僕たちが作った『オーガニックライフ』という本でしたね。ヨーロッパでオーガニックライフを送る人々の撮影をお願いしました。それ以来、パリや東京でお会いする関係になりました。紀中さんは、パリにどれくらいいるんですか?

紀中:12年ですね。日本の美大を卒業して、その後パリへ留学しました。

小木:ストリートスナップをはじめたきっかけは?

紀中:友人がクラブ好きで、一緒に遊んでいるうちにいろいろな人たちと出会いました。その中には、コレット(2017年に惜しまれつつクローズしたセレクトショップ)のスタッフもいて、その出会いがきっかけでジャスティスというアーティストのライブを撮影したり。気づいたらパリのいろいろなパーティーに呼ばれて、写真を撮るようになっていました。

小木:遊んでいるうちに、街のスナップフォトグラファーとしてパリの人々に認知されていったんですね。あと、紀中さんといえばやっぱりコレットですよね。店の前に行けば、だいたい紀中さんに会えるというイメージ。

紀中:暇さえあれば、コレットの前に行ってスナップを撮っていました。職場みたいなものです(笑)。

小木:パリで一番おしゃれな店の前で、そこを訪れる人を撮り続けてきたんですね。やっぱり、東京とパリでは、人の雰囲気が全然違います。同じものを着ていたとしても、馴染んでいるというか自然体。東京だともっと“着飾る”という印象です。

紀中:みんな自分のスタイルをきちんと持っているんですよね。「私はこう」とか「これが好き」という自分の芯になるものがきちんとある。そして、人に見られるということをあまり気にしない。

小木:周りの目を気にしないというのは、日本と違う点かもしれません。

紀中:もちろんトレンドは取り入れるけど、気に入ったら同じものをずっと使い続けていますよね。だから、年を重ねるほど、どんどん磨かれていくんです。たとえばジェーン・バーキンのように。

小木:人も自然体だけど、暮らしもですよね。オーガニックなものがしっかりと根付いている気がします。

紀中:僕も特に気にしているわけではないんですが、たとえば家の前がビオマルシェで食材はそこで買っています。スーパーフードも定着しているし、レストランやピザ屋さんにいってもビーガンメニューがちゃんとある。

小木:意識していなくても、手を伸ばしたものがオーガニックになっている。本当に定着していますよね。日本もそういう状況になればいいなと思います。

紀中:ちなみに、飼っている猫のエサもグルテンフリーです(笑)。

小木:そこまで(笑)。紀中さん、次はパリで会いましょう! 今日はありがとうございました!

《THIS MONTH GUEST》

フォトグラファー 紀中祐介(きなか ゆうすけ)さん

 パリ在住歴12年のフォトグラファー。ストリートを主戦場に街角にいる素敵な人たちを日々追い続ける。撮影したスナップはELLE ONLINEやなどで見ることができる

INSTAGRAM : yusukekinaka

STREET SNAP

暇さえあれば、スナップ撮影に出かけているという紀中さん。撮影は、昨年惜しまれつつ閉店したセレクトショップ「コレット」の前が多かった。現在は北マレを中心にスナップを撮影している





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