photo: Kaori Nishida text: Satoko Myodo edit: Kohei Nishihara (EATer)

ベストセラー歴史漫画を舞台化!舞台『応天の門』


 2.5次元舞台を中心に活躍する佐藤流司さんと、映像・舞台を問わず俳優として幅広い役柄を演じてきた高橋克典さん。初共演となる二人の初顔合わせの日にインタビュー!


フィジカルより知力で勝負!
いつも以上に綿密なお芝居を

 佐藤流司さんが演じるのは、優れた洞察力で事件を解決していく引きこもりの文章生(もんじょうしょう)、菅原道真だ。

 「原作が本当に面白いんですよ。謎解き要素もあり、悪を裁いていくスッキリするような要素もあります。じつは、菅原道真という人物を一生のうちで一度は演じてみたいと思っていたんです。学問の神としてたたえられる存在でありながら、のちに人々に恐れられる存在にもなる。両極端な魅力を持った人物です。先ほど、克典さんから『原作通りの顔をしている』とお墨付きもいただきました(笑)。普段は殺陣やダンスなど、フィジカルな演技が多いのですが、今回は知力で勝負する役柄。いつも以上に綿密にお芝居をつくっていきたいと考えています」(佐藤)

 一方、高橋克典さんが演じるのは、道真とタッグを組む検非違使(けびいし)の長を務める京随一の色男、歌人としても名高い在原業平だ。

 「キャストが発表されたときにSNSでハマり役だと言われていましたが、原作を読んで納得しました。僕がいままでやってきたいろいろな役の要素が入っているなって。色男の風流人であり、検非違使、つまり当時の警察官としての厳しさも併せ持っている。そのバランスをうまく表現していきたいと思っています。原作のような業平のセクシーさを舞台でどう表現していくかは、演出家とも話していこうと考えているところです」(高橋)

 2人は今回が初共演。初対面を果たしたのもこのインタビューの数時間前だ。2人に互いの印象を聞いてみた。

 「子どものころから、克典さんのご出演作品を見ていたこともあり、かなり緊張しています。でも、本当に優しく接してくださって。まだお会いして数時間ですが、2%くらいはリラックスできるようになってきました(笑)」(佐藤)

 「鋭い顔をしているし、ピアスもたくさん。会うまでは、どんな方だろうなと思っていました。でも、会ってみたら礼儀正しくて、とても真面目な印象です。僕は、若い人ともできるだけ楽しくやっていきたいので、気さくに話してもらえたらうれしいです」(高橋)

明治座という舞台で
作品の世界への架け橋に

 昨年150周年を迎えた、歴史のある明治座。本公演で佐藤さんは、この舞台に初めて立つ。座長も務める。当然、プレッシャーはあるはずだ。

 「まだ稽古前ですが、失敗できないなっていうプレッシャーを感じています。でも、役者にとって明治座は、一度は立ちたい憧れの舞台。そこに立てる感謝の気持ちとともに、頑張ります。」(佐藤)

 佐藤さんと同様に、高橋さんにとっても、明治座は特別な舞台だという。

 「お芝居が好きな方、観劇に慣れている方がたくさんいらっしゃいますし、地方からいらっしゃる方も多い。そしてみなさん目が肥えている。期待値も高いんですよね。そんな観客とは、僕が年齢的にも、立ち位置的にも一番近いのかなと思います。だから僕が若手キャストとの架け橋となって、明治座の世界、作品の舞台である平安の幽玄の世界へと観客を誘っていけたらいいですね」(高橋)

 最後に本作に対する、意気込みを聞いた。

 「この素晴らしい作品を、錚々たる役者と一緒に、明治座という舞台で演じることができる。間違いなくみなさんに自信を持ってお届けできる舞台になると思っています」(佐藤)

 「エンターテインメントとして、いろいろな方が気軽に楽しんでいただけるような舞台に仕上げていきます」(高橋)

 菅原道真と在原業平、この対照的なコンビが明治座の舞台で活躍する。その姿を見るのが、いまから待ち遠しい。

 

「一生に一度は、菅原道真を演じてみたいと思っていたんです」

菅原道真役
佐藤流司

1995年1月17日生まれ、宮城県出身。2011年「仮面ライダーフォーゼ」で俳優デビュー。ミュージカル『忍たま乱太郎』以降、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ、『呪術廻戦』シリーズなど数多くの舞台作品に出演。
 

「色男の在原業平をどう演じていくか、お楽しみに」

在原業平役
高橋克典

1964年12月15日生まれ、神奈川県出身。テレビ朝日「特命係長 只野仁」シリーズなど、主演ヒット作品を多数生み出す。2020年には NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に出演し、迫真の演技で高い評価を得る。


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12月4日(水)〜22日(日)
明治座にて上演

舞台『応天の門』

原作:灰原 薬 『応天の門』(新潮社「コミックバンチKai」連載) 
脚本:桑原裕子 
演出:青木 豪
出演:佐藤流司/高橋克典/中村莟玉/高崎かなみ/本田礼生/白石隼也/坂本澪香/青山良彦/八十田勇一/若狭勝也/篠井英介/西岡德馬/花總まり(特別出演)

《あらすじ》
舞台は平安京。京の守護につく在原業平(高橋克典)と若き文章生(もんじょうしょう )である菅原道真(佐藤流司)は、ある事件をきっかけに出会い、その真相解明のためにタッグを組むことに。だが、事件の背後には幼い帝に代わって政を牛耳ろうと目論む藤原家と、藤原家に代わって実権を掌握しようと策謀するほかの一族との権力争いが渦巻いていた。さまざまな思惑がうごめくなか、業平と道真は、次々と起こる怪事件に巻き込まれていく…。

チケット情報は明治座公式サイトへ!
https://www.meijiza.co.jp/info/2024/2024_12/





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