なんと「阪神タイガース」のタイルも! ぜひ探してみてください

《ONE JOURNEY》街全体がアートなリオデジャネイロ

コラム, おでかけ

 はじめての南米大陸、地球の裏側ということもあり不安でいっぱいだった私の心を解きほぐしてくれたのは、陽気なブラジル人たちでした。街を歩いていると、どこからともなく聞こえてくるサンバの音楽や笑い声。想像していたリオデジャネイロはもっと怖い場所のはずだったのに、街角で昔からの友人のように人懐こい笑顔で「コンニチハ!」と話しかけられ、嬉しい気持ちになりました。
 地元の人で賑わうコパカバーナビーチを訪れると、子供からおばあちゃんまで女性の水着はみんなTバック。見ているこちらがハラハラしてしまうほどセクシーな水着に目を奪われていると、ブラジル人の友人が、こう教えてくれました。『ブラジルは世界で最も美意識が高い国。だから自分の体形を美しく見せることに対して並々ならぬ努力をしているのだ』と。文化が違えば美意識も違うのは当たり前ですが、控えめな日本人には驚きを隠せません。しかし、歳をとっても恥じることなく堂々とセクシーな水着を着るブラジルの女性を、私はかっこいいと思いました。
 そんな美に対するこだわりを映し出すように、街そのものがアートなリオデジャネイロ。住宅街に突如現れる階段「エスカダリア・ド・セラロン」は、その1段1段に美しいタイルが埋め込まれており、観光客に人気のスポットとなっています。タイルには、よく見ると世界各地の名所が描かれたものもあり、まるで宝探しをしているような気分になります。この見事な階段アートをつくったチリ人のホルヘ・セラロンさんは、世界50カ国を旅してここブラジル・リオデジャネイロに住みついたそうです。
 歩くたびにどんどん好きになってしまう、リオデジャネイロ。大都会ながら、山あり海ありと素晴らしい景観が広がり、心を解放してくれます。初めて訪れてから2年後のブラジルワールドカップ開催時に、私はまたこの地を踏んでいました。

リオデジャネイロで見つけたおみやげ

《ジウソン・マルチンス》のバッグ

ブラジルらしいアイテムを探すなら《ジウソン・マルチンス》へ。リオデジャネイロの風景をモチーフにしたデザインはおみやげにピッタリ


窪咲子(くぼ・さきこ)

エッセイスト。元新橋芸者。花柳界で学んだことについての講演が人気で全国を回る。古今東西の美しい女性のしぐさや言葉を調べるのが好き。著書に『捨てれば入る福ふくそうじ』など編集者・トラベルライター。出版社を退職後、1年8カ月をかけて50カ国を巡る世界一周ひとり旅へ。著書に『GIRL’S TRAVEL』(ダイヤモンド社)などがある。ハワイのマノアでこの原稿を書いています。


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