細かい砂が舞う砂漠には防水カメラを持って行くのがオススメ

《ONE JOURNEY》ラクダに揺られて旅するサハラ砂漠

コラム

Destination:モロッコ・サハラ砂漠

 旅行中の移動手段は飛行機やバスなどさまざまですが、ラクダに乗ったのはサハラ砂漠がはじめてでした。モロッコとアルジェリアの国境付近にある町メルズーガからスタートした1泊2日のサハラ砂漠ツアー。ラクダにまたがり、砂丘をどんどん進んでいきますが、手を放したら放り出されそうになり、ラクダの乗り心地がこんなにも悪いものかと驚きました。

 風によって刻々と変化する砂の模様や、太陽を背にラクダが連なって歩くシルエット、足音や笑い声もすべて砂の中に沈んでいくような静かな時が流れていきます。

 1時間ほど進み、すっかりお尻が痛くなったころ、その日の寝床となるキャンプ地に到着しました。ガイドは、この地の先住民族であるベルベル人。ジュラバという民族衣装は、まるで魔法使いのローブのようでした。ラクダに積んでいた荷物をおろすと、ガイドが砂糖をたっぷりと入れたミントティーを振る舞ってくれました。彼らはまったくお酒を飲まないため、ウイスキー色をしたミントティーを"ベルベルウイスキー"と呼ぶのだそう。渇いたのどを潤すミントの風味がクセになる美味しさです。

 高くそびえ立つ砂丘に胸を躍らせ、てっぺんを目指して歩き進むのですが、砂の上は想像以上に歩きづらく、バランスをとるだけでも大変。しかし、砂丘の上から見た風景は、赤く照らされた砂漠がどこまでも続き、瞬きするのがもったいないほどに幻想的でした。

 日が暮れると、明かりを灯しタジン鍋を囲み、砂の上に布団を敷いて夜を明かします。空を見上げると、まるでプラネタリウムのような満天の星空。夢と現実の境目がわからなくなるほど、不思議な空間が広がっており、いつの間にか眠りに落ちていました。今思い返しても、あれは夢だったのでは
ないか?と思うことがあります。しかし、そのたびにラクダに乗って筋肉痛になったことを思い出し、現実だったと確信します。

モロッコで見つけたおみやげ

さまざまな革製品

モロッコは革製品の宝庫! バッグやバブーシュといわれる革のシューズが、日本では考えられないくらい安価で購入することができる


窪 咲子(くぼ さきこ)

編集者・トラベルライター。出版社を退職後、1年8カ月をかけて50カ国を巡る世界一周ひとり旅へ。著書に『GIRL’S TRAVEL』(ダイヤモンド社)などがある。夏休みはフィンランド旅行に行ってきました!



コラム


この記事をシェアする

LATEST POSTS