さわひらき 「Tracking」 2010年 Copyright of Hiraki Sawa Courtesy of Ota Fine Arts

≪六本木≫多様な視覚表現で「動き」の新たな側面に焦点を当てる「MOTIONS」展


 アジア出身の作家6人がさまざまな視覚表現を通して「動き」の美しさを再認識し、その意味を探るグループ展「MOTIONS」が、港区六本木6丁目のOTA FINE ARTSで開催されています。

 インドネシアのベティ・スシアルジョ氏はインスタレーション作品「Anemones」(2011年)で、音の可視化に挑戦。スピーカーの上に置かれた緑や赤のラメ粉が波などの音に合わせてジャンプします。香港のサムソン・ヨン氏は、伝統的な中国の獅子舞が打楽器の音なしで演じる〝非日常〟を撮った映像作品「Muted Situations #2:Lion Dance」(14年)を出品。あるはずの音がなくなることで、記憶と動きがどのように結びついているかに気付かされます。また、ロンドンを拠点に活動する日本人のさわひらき氏の映像作品「Tracking」(10年)では、観る者が鳥と同じスピードで同じ方向に向かって移動しているような感覚を味わえます。

 このほか、シンガポールの写真家 ビクター・グイ氏が、走る自動車の上にピンホールカメラを設置して制作した「Passing」(15年)、中国・北京で活躍するチェン・ウェイ氏の写真シリーズ「In the Waves」(13年)の1作品、中国・上海を拠点とするタン・ディシン氏のパフォーマンスアート「Mr. Hungry」(15年)を観ることができます。

 人間社会における「動き」の意味について考える機会を提供してくれる展覧会です。9月17日まで。入場無料。

ベティ・スシアルジョ 「Anemones」 2011年

ビクター・グイ「Passing」 2015年




OTA FINE ARTS

港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F

開廊時間:11:00~19:00

休廊日:日・月・祝日


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