illustration: Yu Fukagawa

「自分に厳しく」の終焉《お多福美人講座》


 今回は、「福を呼ぶ」シリーズの最終回。今回の福を呼ぶ心がけは、「人に親切に!」。なんだそれかと言いたくなるくらい、世界中で言われ続けてきたことです。でも実際、富と名誉と財産があってお幸せな方は、必ず周りの方に親切で、外すわけにはいかない黄金律なのです。この黄金律の実践では、順番が大切。普段から自分にあたたかい気持ちをそそぎ、自分を満たしてあふれた優しさを、目の前の人やその人と縁のある人へと広げる。あふれた分で、自分がされてうれしいことをする必要があるのです。

 昔から日本では、「人に優しく、自分に厳しく」が美徳です。昔の立派な方のなかには、そうできる方もいらっしゃいました。でも今の社会では、自分に厳しくしすぎて限界を超えたり、自分がした我慢を他人に強要したりという事件が、とても多いですよね。「厳しく」という言葉を、「辛くあたる」「粗末に扱う」と解釈している人も多いのではないかと思います。でも、自分を認めず、褒めず、嫌だと感じることばかりして、人に優しくするなんて凡人には不可能。これからは「自分を大事に、人も大事に」でいいと思うのです。

 そして、困った時には「我慢が美徳」と思わず、助けて欲しいと言うことが、福を呼ぶ一歩です。介護などの長期的な負担があるときは、ことさら自分を労わる時間をもって、無理せず、人にも頼る。笑顔でいられる余裕をなくしていることに気づいたら、「自分に厳しく」なんて考えずに、助けを求めていいのです。助けを得るコツは、断られても自分を責めず、相手を恨まず、いろんな人に、どんどんあたってみること。何もかも一人で背負わず、人にも自分にも優しくできる方法を見つけようとすることが、今の時代に必要なのだと思います。無理して笑うのではなく、笑える心でいようとするところへ、福はやって来るのです。

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