illustration: Yu Fukagawa

「好きなこと」に立ちはだかる壁《お多福美人講座》


 「好きなこと」というと、キラキラしたイメージがありますよね。でも、「好き」には案外、さまざまな壁があるように思います。

 たとえば、自分の好きなものが、一般的には「ダサい」「キモい」と言われていたりすると、なかなかカミングアウトできなかったり(私は学生時代、「オシャレな友人お薦めの音楽」を聴いていましたが、本当は米朝さんや志ん朝さんの声を聴く方が好きでした。笑)、反対に、いいなぁと思っても、オシャレすぎて引け目を感じてしまったり。完璧主義の場合には、好きなことに対しても、「網羅せねば」、「ちゃんとやらねば」と力んでくたびれることもありますよね。

 時間や気持ち、経済的に余裕のない生活では、好きなものを見ても、「いまの私には関係ない」「無理」と遠ざけることも。また、「好きなのにあきらめたこと」を見てつらくなる、好きなことを極めた人と自分の差に落ち込む、なんてこともあるはずです。

 あるいは、自分は何が好きなのか考えることさえ自分に許していないこともあって、ほかの人が、「私はこれが好き」と言うのを聞くこと自体がしんどい、「自分が好きなものになんか、誰も興味がない」と思って悲しくなる、ということも…。

 「好きなことは楽しい」という一般的な認識があるだけに、そう思えないとすごく自分を責めてしまうのではないでしょうか。そんなときにはもう一度、「好きなことと縁を結び直す」のがおすすめ。

 人と比べなくても、誰かに認められなくてもいいよ。ちゃんとやらなくても、リラックスして楽しめばいいよ。できる範囲で関わって、続けられるかたちで続ければいいよ。少しずつ好きなことを知っていけばいいよ。そんなふうに壁を取りはらうことで、好きなことが本来の輝きを取り戻し、力をくれるものに変わっていきます。好きなことが自分を苦しめているように感じるとき、ぜひお試しくださいね。

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