洗練された家庭料理で大人気の料理研究家 松田美智子さんが、新著『彼とごはん』(世界文化社刊)から、メトロポリターナトーキョーだけにイチオシレシピをこっそり紹介してくれる隔週連載も今回でいよいよ最終回。最後のとっておきは、みんな大好きなカレーです!
カレーといえばぐつぐつ煮込んで…と、時間がかかるイメージですが、今回、紹介する松田流カレーはとっても簡単。火の通りやすい薄切り肉を使っているから、「ああ、食べたいっ」と思ったらすぐできてしまいます。
ごぼうがたっぷり、しかも市販のルーに比べて脂質も大幅にカット。うまい!早い!カラダにいい!の三拍子そろったメニューです。パクチーをぱらりと散らしてエスクニック気分を添えれば、もうやみつき。松田さんも大のお気に入りで、まかないへの登板回数はエース級だとか。今日から、おうちのカレーはこれに決まり!
おいしい理由&もっとおいしいアイデアと一緒に召し上がれ。
【材料(2人分)】
【材料(作りやすい分量)】
塩豚
豚バラ肉 200g
塩 小さじ1
★おいしい理由→一晩おいた塩豚を使うことで、うまみが濃厚に。時間がなければ、薄切り肉に塩をもみこんで、15分なじませてもOK。その間にごぼうを切れば段取り上手です。塩豚は冷凍保存可能で、そのまま焼いてもおいしい。
新ごぼう 2本 皮ごと洗い、4㎝長さの短冊、薄切り
A
オリーブオイル 大さじ1
にんにく(みじん切り) 小さじ1
生姜(みじん切り) 大さじ1
三温糖 小さじ2
カレー粉 大さじ2〜2と1/2
白ワイン 1/4カップ
チキンスープ 3カップ
B
オイスターソース 大さじ1弱
醤油 大さじ1
ミニトマト 8個
胡椒 少々
香菜(みじん切り) 適宜
《作り方》
①塩豚を作る。豚肉の両面に塩をして冷蔵庫で1時間〜約一晩おく。
②野菜の下ごしらえをする。ごぼうは皮をむかずに洗って泥を落とし、4センチ長さの薄切りの短冊にする。ミニトマトはヘタを取って縦4つ切り。
③厚手の鍋にAを合わせ中火で炒める。香味が立ったら生姜を加え炒め、3センチ大に切った①を加え炒める。ごぼうを加え炒め、三温糖を加える。★おいしい理由→こくを加えるとともに、ごぼうの繊維を開いて味を染みやすくします。
カレー粉を加えてよく炒め、辛みと風味が立ったら、白ワインを加える。アルコールが飛んだら、チキンストックを加え強火で煮立てる。脂をすくい、弱火で蓋をせずに約15〜20分煮て、味を見てBを加える。★おいしい理由→ごぼうの風味と食感を活かすためふたをしません。
ミニトマトを加えて火を切り、胡椒で味を調える。
④ご飯にかけ、香菜を添えて薬味として一緒にいただく。
■もっとおいしい!→余ったらごぼうカレー1カップに対して濃いめのめんつゆ4分の1カップとチキンスープ1カップを足してのばし、さらにうどん1玉を入れてカレーうどんに。塩豚とごぼうのエキスがしみじみとおいしい一杯です。
松田美智子さん
東京生まれ、鎌倉育ち。料理研究家、テーブルコーディネーター、女子美術大学講師。料理研究家ホルトハウス房子氏に師事し、各国家庭料理を学ぶ。1993年より恵比寿で「松田美智子料理教室」主宰。テレビや雑誌などで活躍するほか、海外ブランドでのキッチンや自身ブランド「自在道具」の調理器具、企業のメニューの開発など、多角的に食の仕事を手がける。著書多数。
公式ホームページ MICHIKO SELECTION
【彼とごはん】
「胃袋をつかむには、筋の通った女になりなさい!」。自分がおいしければ、大切な人もきっとおいしい。恋人、夫、家族。誰もが帰ってきたくなる「家庭の味」を理論的に紹介。松田さんならではの洗練されたアレンジも見どころです。筆者はこれで結婚できました!
世界文化社、1404円