子供のころから、お弁当に入っていた梅干しは誰にもなじみ深いもの。梅干しは、胃腸内の病原菌の増殖を抑え、殺菌作用があり、疲労・回復にも効果があるといわれています。また、ポリフェノールが含まれているため、抗酸化力も認められています。
そんな梅干しの魅力を広く知ってもらいたいと、和歌山県田辺市が2月12日(日)まで、千代田区丸の内で、イベント「PLAY UMEBOSHI」を開催しています。
田辺市は、隣接するみなべ町の生産量と合わせると全国の約6割を占めるほど、梅の栽培が盛んな地域です。会場となっている新丸ビル7階では、レストラン9店舗それぞれによる、梅をメーンにしたメニューの提供と「立ち食い梅干し屋」などが実施されています。
各レストランが考案した梅のメニューの中には、従来の梅への概念を覆すようなものもあります。例えば、「スモーク鰻と梅干しのサラダ」(1296円、MUS MUS)。「え!ウナギと梅干しは食べ合わせが悪いから一緒に食べてはいけないと言われているけど」と思う人も多いのでは?
実は、江戸時代の食糧難の際、梅干しもウナギもそれぞれ食が進み、お米をたくさん食べてしまい困ったため、両方を一度に食べてはいけないとなり、それが現在まで伝わってきたそうです。
だから、一緒に食べても大丈夫。ウナギのコクと梅の酸味のバランスが良く、クセになりそうなサラダです。
「梅干しとつぶ貝の小粋なアヒージョ」(950円、自由ヶ丘グリル)は、オイルで熱した梅がつぶ貝に絡み、さっぱり感を増しています。
梅を混ぜた焼きそばやピラフ、パスタ。デザートなどちょっと変わったメニューでは、ジャージー牛乳と梅を混ぜた冷たいドリンクもあります。
レストラン街での梅メニューを楽しむのはもちろん、珍しい梅干しを試食できる「立ち食い梅干し屋」(無料)にも立ち寄ることをオススメします。
特設のカウンターには、梅干の入った14本の瓶がズラリ。南高梅を吟醸酒に漬け込んだ「吟醸梅」、ハチミツ梅にキムチ液を合わせた「キムチ梅」、みかん果汁を加えて漬け込んだ「みかん梅」、オリーブオイルに漬け込み、ハーブ類とブレンドした「白干梅のオリーブオイル漬け」などから、食べたい梅を1つ、スタッフに伝えます。すると、小皿にのせた梅干と、お茶(ほうじ茶、茎茶、番茶、玄米茶、煎茶の5種類から梅干しに合うものをスタッフが選択)が目の前に用意され、「いただきます!」。日頃、こんなにじっくりと梅干しを味わうことなどないため、新鮮な体験です。
田辺市役所企画部の大久保将之さんは「昔ながらの梅干ばかりだったころ、味付け梅を国内で最初に開発したのは田辺市の食品会社です。現在、田辺では、塩分濃度が20%から4~5%のものまで。また、味付けをした梅は約100種類もあります」と梅の里ならではのエピソードを話してくれました。
レストラン街での梅メニューは12日(日)まで提供されていますが、「立ち食い梅干屋」とちょっとお行儀が悪いですが楽しめる遊び「梅干の種飛ばし」は10日(金)まで。仕事帰りなどに足を運び、新たな〝梅干し〟を発見してみてください。
田辺WEEK「PLAY UMEBOSHI」
開催期間:2月12日(日)まで
開催時間:午前11時~翌朝4時、日・祝日は午後11時まで/「立ち食い梅干屋」、「梅干の種飛ばし」は、ライブラリースペースで10日(金)まで、午後6時~9時、無料
開催場所:丸の内ハウス(千代田区丸の内1-5-1 新丸ビル7階)
丸の内ハウス詳細 http://www.marunouchi-house.com/