illustration: Haruka Toshimitsu text: Keiko Ageishi

自律神経失調症は、心と体からのSOS!《働くオンナの救Q箱》


頭痛や倦怠感などのちょっとした不調は、「ストレスが溜まっています!」という、心と体からのサインです。無視をせず、早めにケアしましょう。

Q1.自律神経失調症とは?

 自律神経とは、自分の意思とは無関係に、内臓や血管などの働きを自動的に調整する神経です。自律神経には、興奮モードを司る「交感神経」と、鎮静モードを司る「副交感神経」があります。この2つの神経を必要に応じて切り替えることで、バランスが保たれています。自律神経失調症とは、「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れ、頭痛、倦怠感、めまい、動悸、しびれ、不眠、喉の詰まり、吐き気、下痢や便秘などの不調が表れる病気です。

Q2.何科を受診? 診断基準は?

 まず、症状のある部位の専門医にかかり、原因が見つからなければ自律神経失調症を疑って、心療内科や精神科を受診するのがいいでしょう。自律神経失調症の診断基準となるのは、頭痛、肩・首のこり、腰痛、めまい、吐き気や胃痛、喉・首の詰まりや違和感、動悸、胸の違和感、不眠などの症状の有無や程度、生理周期、生活習慣や精神的ストレスなどです。心と体の両面から多角的にみて、総合的に診断し、治療方針を決めていきます。

Q3.自律神経失調症の原因は?

 原因は、心と体の複合的なストレスです。ストレスには、寒暖、騒音、混雑などの物理的なもの、公害物質や薬物などの化学的なもの、細菌・ウイルス、睡眠不足などの生物的なもの、人間関係や社会生活上の心理・社会的なものなど、さまざまな原因があります。自律神経は、脊柱を通り全身をめぐっています。スマホなどを悪い姿勢で見続ければ、骨格が歪み、神経や内臓を圧迫しますが、そうしたことも、この病気の要因だと考えられます。

Q4.自律神経を整える方法は?

 治療では薬を使うこともあります。基本的には、朝は太陽光を浴びて体内時計を整え、適度な運動と質のよい睡眠、食事など、生活習慣を整えれば自律神経は整っていきます。いやなことがあれば気分転換をし、デスクワークで肩がこったらストレッチをするなど、心身がストレスを受けたら、こまめにケアすることも大切です。オンとオフをうまく切り替えられれば、ストレスも減ります。何事も100パーセントを目指さず、力まずに臨みましょう。

Q5.放っておくと、どうなるの?

 不調を見逃して放置し続ければ、症状はどんどん増えてしまいます。ひどい場合は、パニック発作を起こし、動悸や発汗、震えや呼吸困難などの症状が出て、「死んでしまうのでは?」というほどの不安感に襲われることも。一度その恐怖を味わうと、電車に乗れなくなってしまうこともあります。症状が悪化すれば薬が増え、倦怠感などの副作用に悩まされることもあるので、症状が軽いうちに早めに対処しましょう。

監修:久手堅 司 先生

せたがや内科・神経内科クリニック院長

https://setagayanaika.com





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