illustration: Haruka Toshimitsu

《働くオンナの救Q箱》このプツプツ、毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)かも?


半袖やノースリーブで肌の露出が増える夏。
念入りにボディケアしているつもりだけど、二の腕や背中にプツプツが…
これってもしかして、毛孔性苔癬?

Q1.毛孔性苔癬って何ですか?

 毛孔性苔癬は俗にサメ肌などと言われ、角質が毛穴のまわりにたまり、肥厚(ひこう)した状態。背中や二の腕、お尻や太ももに発症しやすいのですが、痛みやかゆみは一切なく、放置しても別の病気に発展することはありません。しかしながら、思春期や20代の女性に多く見られるため、露出が増える夏になると、その見かけに悩んで、クリニックを訪れる人が急増します。

Q2.毛孔性苔癬の原因は?

 肌のターンオーバーが乱れることで、毛穴の周辺に古い角質がたまり、吹き出物のようなものが現れます。しかし、ニキビのように炎症を起こしているわけではないので痛みやかゆみはまったくなく、そのかわり長期間症状が改善されないというのが大きな特徴。思春期に発症する人が多く、加齢とともに症状が落ち着き、自然消退することから、遺伝によるところが原因として大きいと考えられています。

Q3.毛孔性苔癬の人がやってはいけないことは?

 ズバリ、こすり洗いです。毛孔性苔癬はザラザラしているので、あかすりのようにゴシゴシとこすってしまう人も多いのですが、余計な刺激を与えると角質の肥厚を助長してしまい、さらに凹凸が悪化してしまいます。自己判断でスクラブなどでこすることも刺激になる可能性があるので、気になるなら病院で診察を受けるようにしましょう。プツプツをひっかいてしまうと、肌表面や毛穴で炎症が起き、ニキビ痕のように色素沈着してしまうので注意。

Q4.毛孔性苔癬の見分け方は?

 二の腕がザラザラしているからといって、必ずしも毛孔性苔癬とは限りません。長時間紫外線にさらされたり、肌に摩擦を与えるような服を着て、一時的に乾燥が進み、プツプツが出る場合もあります。ボディクリームなどで保湿してみて、症状が改善されるようであれば毛孔性苔癬の可能性は低いです。毛孔性苔癬は保湿ではなかなか改善が難しく、肌のザラつきも乾燥とは比べものにならないほど顕著に現れます。体に害はありませんが、気になるようであれば一度皮膚科に相談しましょう。

Q5.毛孔性苔癬は治るの?

 治ります。ほとんどの場合、加齢とともに症状が治まりますが、どうしても気になるという人は塗り薬やレーザー治療で症状を抑えることができます。ただし、保険適用の塗り薬の場合は保湿がメインなので、効果としては症状の悪化を抑える程度。症状を改善したいのであれば、フラクショナルレーザーを使った治療がおすすめです。レーザーで皮膚の組織を傷つけることで皮膚の再生を促すのですが、治療費は決して安くないので、信用できるクリニックを探しましょう。


監修:西村麗奈先生

南青山スキンケアクリニック 副院長
http://www.minami-aoyama.info





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