働く女性に多い悩みのひとつ、「疲れ目」。甘く見がちなこの症状、放っておくと体と心に思わぬ影響を与えるかも!?
Q1.疲れ目の原因って?
人はものを見るときに、毛様体筋という目の中の筋肉を働かせてピントを合わせています。デスクワークなどで近くのものを継続的に見るときは目のピントを合わせ続ける必要があるので、無意識のうちに毛様体筋が緊張状態に。その状態が続くと引き起こされるのが、目に疲労を感じる調節緊張症。これが疲れ目と呼ばれる症状の正体です。
Q2.目を疲れにくくするには?
パソコンやスマートフォンを使うことが多い現代人は、生活の中で目を酷使しがち。目の疲れを自覚する前に、対策をしっかりとしておきましょう。仕事中は10分に1回、4~5m先を見ることで毛様体筋の緊張を解くことができます。そもそも、疲れ目の主な原因は、同じ場所を見続けること。1~2秒間だけでも、離れた場所に視線を移すことで十分な回復効果が得られます。目にいいといわれているブルーベリーは抗酸化作用のあるアントシアニンを多く含み、目の疲れを取り除いてくれるのでおすすめです。
Q3.遠視は目が疲れやすい?
遠視とはその名の通り、遠くを見るのが得意な目のこと。デスクワークなど長時間近くを見ていなければならないような環境では、やはり近視よりも遠視の人のほうが負担がかかりがちです。目に負担がかかりにくい距離には個人差もあるので、一度眼科に行き、自分の目の性質を診てもらうのが良いでしょう。目に負担をかけないパソコンまでの距離など、普段どういうふうにものを見たらいいか、アドバイスを受けることもできます。
Q4.疲れ目を放っておくとどうなるの?
目の疲れを日々溜め込んでしまうと、症状が悪化し、頭痛や肩こり、吐き気、めまいなどを併発する眼精疲労に。寝て起きても目の疲れが取れない時は、特に注意が必要です。また、眼精疲労を放っておくと交感神経、副交感神経にまで影響を与え、自律神経失調症になってしまうことも。こうなると自力での改善はおろか、自分の足で眼科やクリニックに行くことすら難しくなってしまいます。目の疲れを感じたら甘く見ず、すぐに対処をすることが大切です。
Q5.悪化させないためには?
目の疲れをその日のうちに取り除くには、寝る直前に一度遠くを見ることが効果的です。スマートフォンの画面など近くのものを見ていると、副交感神経が興奮しきった状態になり、寝つきが悪く結果的に疲れもとれません。寝る前に意識的に少し遠くを見たり、あわせてスクワットなどの軽い運動を行いましょう。その後ベッドに入り、息が整うのを感じながら目を閉じれば、すっと眠りにつきやすくなります。
監修:梶田雅義 先生
梶田眼科 院長