Q3.体に悪影響はある?
口内環境では歯並びの変化や知覚過敏、歯の表面がけずれるなどの可能性が出てきますが、これらはよほど強い力を継続的に加えない限り、20代ではなかなか起こりません。最も負担がかかるのは、エラ、首、肩まわりの筋肉です。これらは歯のくいしばりによる影響のほうが大きいのですが、筋肉がこわ張ることでエラからあごにかけて常に緊張状態に陥り、筋肉を覆う「筋膜」が縮こまり硬直します。これによって頭痛や首こり、肩こりなど、さまざまな痛みを引き起こす原因となるのです。
Q4.歯ぎしりは治るの?
Q2でも触れたように、歯ぎしり自体はストレス発散の一環であって悪い行為ではないので、完治を目標にする必要はないかと思います。しかし、周囲への騒音や体への影響が気になるようであれば、専門医の診断を仰ぐといいでしょう。歯科医院で一般的なのはマウスピース治療です。その際はやわらかいシリコン製がおすすめ。かたいタイプと違って消耗品にはなりますが、歯ぎしりによる騒音を防ぐのはもちろん、しめつけが少ない分、歯へのダメージをやわらげることができます。
Q5.自分でできる対策を教えて!
ストレスをうまく発散できる生活を送ることが理想的ですが、「筋膜」の硬直をほぐすことでも緩和できます。まずは首肩のストレッチを。左腕は力を抜いて下ろし、右手は頭上から左耳のやや上あたりに添えて。そのまま頭をゆっくり右側へ傾け、30秒ほど首肩の筋膜を伸ばします。手を変えて反対側も同様におこない、3回×1セットを朝晩に取り入れて。マッサージは首すじ、鎖骨、こめかみ、あごの関節を、指先でグルグルと円を描くように。わずかに痛みを感じる程度の強さで、無理のない範囲でほぐしましょう。
監修:難波郁雄 先生
オーク銀座歯科クリニック院長