Q3.近年、花粉症の人が増えているのはなぜ?
大気汚染や乾燥した環境によって粘膜が弱り、アレルギー反応が出やすい状態であるから。また、花粉症の多くは2月中旬~4月中旬に飛散するスギ花粉が原因です。戦後、大量に植えられた日本のスギは非常に生命力が強く、花粉量は年々増加傾向にあります。その分、体内に入り込む花粉も増え、現在までに花粉症になる人も増えていったと考えられるでしょう。とくに都心部は、本来は土に吸収されるべき花粉がアスファルトやコンクリートの上に残って頻繁に花粉が舞うため、人間の体内に入りやすいのです。
Q4.花粉症が長引くことはある?
たとえば4~5月はヒノキ、6~7月はイネ(カモガヤ)、9~10月はブタクサやヨモギなどの花粉が飛散するため、スギ以外の花粉にもアレルギー反応が出る場合は、しばらく症状が続きます。早めの対策をうつためにも血液検査をおこない、何に対してアレルギーがあるのか調べておくといいでしょう。とくに、もともとアレルギー体質の人はアレルギー性鼻炎をきっかけに、食物アレルギー→アレルギー性皮膚炎→ぜんそくのように、粘膜への症状が波及することもあるので注意が必要です。
Q5.少しでも症状を緩和したい!
最適な治療を受けるためにも、主訴(いちばん悩んでいる症状)をしっかりと伝えることをおすすめします。その内容により、抗ヒスタミン剤の内服処方、点鼻薬、舌下免疫療法、レーザー治療など、患者さんのニーズに合わせた治療法を提案することができるからです。日常生活では、ニュースやインターネットで見られる毎日の花粉情報をチェックして対策を。Q3で述べたように、乾燥していると花粉を受け入れやすくなるため、加湿器やマスクなどで粘膜のうるおいを保つことで、ある程度シャットアウトできます。
監修:大河原 大次 先生
日本耳鼻咽喉科専門医
日本橋大河原クリニック 院長