illustration: Haruka Toshimitsu text: Mayuko Yago

「帯状疱疹」を悪化させないポイントは?《働くオンナの救Q箱》


 老若男女問わず、発症する可能性のある「帯状疱疹」。顔や首など、外見が気になる箇所に発症することも。症状がひどくなる前に、治療を始めることが重要です。

Q1.そもそも帯状疱疹とは?

 帯状疱疹は、体の左右どちらか一方の一部分に「紅斑(こうはん)」という赤い発疹ができ、それに続いて水疱(すいほう)が帯状に現れる病気です。水疱はその後、膿疱となり、破れてただれます。それからかさぶたができて、約3週間でかさぶたがとれて治ります。発疹ができる数日~1週間ほど前から、皮膚の違和感や、ピリピリした神経痛のような痛みを伴うのが特徴です。発疹が治っても痛みが続くケースがあり、長期間の治療を要することもあり得るでしょう。

Q2.そもそも帯状疱疹とは?

 水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると水痘(水ぼうそう)になり、その症状が治ってもウイルスは体の神経節に潜伏感染しています。それ以降、加齢やストレス、過労、睡眠不足、栄養不足、悪性腫瘍、手術、放射線照射などが原因で免疫力が低下すると、潜んでいるウイルスが再活性化してしまうことに。そして、神経を伝わって表皮に到達し、帯状疱疹として発症すると考えられています。

Q3.帯状疱疹の検査と治療法は?

 医療機関では、水疱からウイルス抗原を検出する検査や、血液検査で抗体価を調べる検査を行います。治療法は、抗ヘルペスウイルス薬の内服です。この薬はウイルスの増殖を抑えることで、急性期の皮膚の症状や痛みをやわらげ、治癒までの期間を短くしたり、合併症や後遺症を抑える効果も期待できます。さらに、痛みの緩和には、対症療法として消炎鎮痛剤を内服したり、痛みが重度の場合には神経ブロックを行うこともあります。

Q4.日常的にできる、帯状疱疹への対処法は?

 体の免疫力が低下すると発症に至るので、日頃の体調管理が重要です。バランスのとれた食事を意識する、しっかり睡眠をとる、ストレスをためないようにする、適度な運動を習慣にするなど、免疫力を高める生活を心がけましょう。また、帯状疱疹は50歳以上になると発症率が上がると考えられています。そのため、50歳以上の方はワクチンの予防接種の対象となり、接種をしておくと、発症しても軽い症状で済むといわれています。

Q5.帯状疱疹かなと思った際の対策は?

 症状を我慢して自然治癒を待つよりも、なるべく早めに抗ヘルペスウイルス薬の内服を開始するほうが、短期間で、患部に痕を残さず治すことが可能です。初発症状である痛みを伴う赤い発疹が出たら、早急に皮膚科を受診してください。重症化してしまうと、入院に至るケースもあり、その場合は抗ウイルス薬を点滴静注して治療を行います。また、十分な睡眠時間を確保するなど、無理をしないよう、免疫力を上げる生活を心がけましょう。

監修:山田 美奈 先生

四谷三丁目皮膚科 院長
http://www.bihada.co.jp

 





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