さいたま市を舞台にした初の国際芸術祭「さいたまトリエンナーレ2016」が12月11日までの日程で開催されている。国内外34組の芸術家が参加。作品は公共施設や公園、空き家などの身近な場所に展示されている。
さいたま市は、人口約130万人の都市で、東京へ通勤、通学する人が多いベッドタウン。それを象徴する作品が、ラトビアのアイガルス・ビクシェによる「さいたまビジネスマン」だ。JR埼京線沿いの住宅地にある「西南さくら公園」に置かれた全長約10メートルの大型作品は、企業戦士を思わせる黒いスーツのサラリーマン。横たわる姿は釈迦の涅槃(ねはん)像をヒントにしたという。毎日、満員電車にゆられ会社に通うビジネスマンに「もっと休んでほしい」との作者のメッセージが込められている。ユーモアの中に哀愁が漂う。