Senti ! è così in Italia !①フィレンツェを愛して15年

コラム

 はじめまして。フィレンツェに住み着いちゃって15年。おこです。3人の息子のシングルマザーで、サンタクローチェ広場のショップで働いています。

 イタリアって、皆さんどんなイメージですか? 食べ物がおいしい、イタリア人は情熱的…本当に、その通り! 私もまだ20代のころ、フィレンツェ留学から帰国した友人が淹れてくれたエスプレッソに惚れ込み、イタリアの食べ物にあこがれて日本を飛び出しちゃいました。とーってもいい加減なところもあってびっくりしますが、イタリア人の情の厚さに助けられて何とかやっています。

 私に言わせると、イタリアという国は、社交的でない人間にはかなり厳しく、でも女性にはとても優しく、自分自身にはめっぽう甘い方々で成り立っている国です(笑)。

 たとえば、初めてのバールでコーヒーをオーダーする時、ウェイターさんを待っていてダメです。無愛想なのではなく、彼らは他のお客さんとのお喋りに忙しいのです。イタリア人は、お客さんとの交流もウェイターの力量の一つと考えています。ただ、仲良しのお客さんとのおしゃべりが楽しいと、仕事そっちのけになってしまうのです。初めてのお店では、自分から声をかけないとコーヒーにもありつけないのです。ただ、女性にはとっても優しく、カプチーノを頼むとかわいいコーヒーアートをサービスしてくれたり、チョコレートをおまけしてくれたりもします。重い荷物を持って階段を上がっていると手伝ってくれる紳士も多く、本当に女性に優しい国です。

フィレンツェのカフェでいただくカプチーノ


 自分自身にはとっても甘い方々です。待ち合わせでの時間厳守はほぼあり得ません。8時に待ち合わせすると、8時30分くらいまでは「間に合った」という感覚です。先に着いた人はのんびりコーヒーなんかを飲みながら近くにいる知らない人たちとおしゃべりをして待つのです。

 先日も何年に1度という雪が降り、フィレンツェは大パニックになりました。雪といっても、午前中にたった2センチ積もっただけで午後は雨でした。なのに、フィレンツェ、トスカーナ全域で電車、バスなんかの交通手段が一日中ほぼストップ。完全に復旧するまでなんと1週間くらいかかりました! 鉄道会社も、電車を早く動かすために必死で除雪…なんてしません。「しょうがないじゃない、電車が動かないんだもの」という考え方です。でも、誰も「責任者出せ!」とは言いません。もちろん電車の遅延証明書も存在しません。誰のせいにもできません。どうしても困るなら、全て自分で解決するしかない。これがイタリアで生きる道。私がここで学んだことです。

雪の降った日の朝のフィレンツェ。まるで積もっていないです


 このコラムを通じて私の大好きなイタリアという国を、食、人、文化全部ひっくるめてお伝えできたらと思います。

 Senti ! è così in Italia,,,!(ねえ、聞いて!イタリアってこんなんなのよ!)

(おこ@フィレンツェ)



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