大ヒットアドベンチャーコメディ映画をブロードウェイでミュージカル化。昨年上演され好評だったこの作品の日本版が、パワーアップして来月から再演される。主演のspiに見どころを聞いた。
シュレック役
spi
神奈川県生まれ。5歳のころから米海軍のシアターグループに所属。子役として数々のオペラやミュージカルに出演し、演技や歌唱の基礎を築く。現在は、舞台に数多く出演するほか、歌手としてライブ活動も精力的に行っている。近年の主な出演作に、ミュージカル『オリバー!』(ジャン・ピエール・ヴァン・ダー・スプイ演出)、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(茅野イサム演出)、『ジャージー・ボーイズ』『VIOLET』『手紙2022』(藤田俊太郎演出)などがある。2021年佐藤流司、福澤侑、心之介と音楽パフォーマンスユニットZIPANG OPERAを結成し活動中。
ミュージカル界のモンスターが
怪物シュレックを再演!
アドベンチャーコメディ映画『シュレック』は、2008年にブロードウェイでミュージカル化され、昨年トライアウト公演が日本初演された。今回は満を持してのフルバージョン上演。再び主人公のシュレック役を演じるspiに見どころを聞いた。
日本初演は短縮版とはいえ、全キャストがオーディションにより実力で選ばれた俳優がそろい、子どもから大人まで楽しめる公演として好評を博した。残念ながら体調不良のためspi自身は公演途中で降板してしまったが、シュレックはまさにハマリ役だった。もう一度見たいと思った人も多いはずだ。
「今回、オーケストラによる生演奏になって、キャストの人数も増えて、ソロ曲も増えました。大枠はトライアウト公演と変わりませんが、今回はひとつひとつのシーンや描写がもっと深くなります。公演時間が長くなるので、キッズたちの集中力をどう保つかが鍵になるかな。演出の岸本功喜さんと話しながら、そのあたりは工夫していきたいですね」とspiは座長らしく冷静だ。
「初演時には、普段僕が出演するミュージカルの客層とは違って、子どもが客席にたくさんいました。声出し禁止ではありましたけど、子どもたちがついつい笑ってしまったり、びっくりして声をあげたりしていて。ああ、狙いが当たったなと思いました」。本公演は文化庁の子供鑑賞体験支援事業の対象公演。4歳以上18歳以下の子どもは、無料招待(各公演250名)される。その点についても「僕、お子さんがいる家庭に支援とかしたいなとずっと思っていたので、これはもう最高の社会貢献だなと思います」。
『シュレック』の初演後、『ジャージー・ボーイズ』や『ドリームガールズ』など話題作に相次いで出演し、抜群の歌唱力と演技力、そして男性の色気を舞台上で炸裂させていたspi。再びここでシュレックという緑色の”怪物”を演じるわけだが「もう最初からバチッとはまっていたのでね。より役が深まることも薄まることもないでしょう。シュレックはお客さんのものだと思っているし、俺がどう深めたところで、それは独りよがりになってしまう。変わらず、考えすぎず、楽しもうかなという感じです。それに俺らしさはどうせあふれ出てしまいますよ(笑)」。
最後に観客へのメッセージを聞いた。
「仲間との絆、真実の愛、困難に立ち向かうという普遍的なテーマをジョークやパロディ満載で描いた作品です。お子さんがいらっしゃる方はぜひ連れてきてください。ぐずっても全然大丈夫ですから。大人の方でも、ハブられた経験があったり、社会にはまらないなと思った瞬間があったりする人もいると思いますが、この作品は『自分は周りと違ってはみ出してるところがあるんだよね』という人に向けてつくられている部分もあります。王道のラブロマンスでもありますけど、皮肉も利いている。いろんな人にいろんな方向から刺さる作品です。最高の夏休みの思い出になると思うので、ぜひ見にきてください」
シュレックを演じるspi。初演時は緑色のマスクをつけての演技や歌唱が不安だと話していたが「汗もかくし、臭いけれど、ぶっちゃけそんなに違和感はなかった」という。
フィオナ(前列右/福田えり)とドンキー(後列/吉田純也)らシュレック以外のキャラクターの個性も光った。
ファークアード卿(中央/泉見洋平)のキャラクターも必見!
『シュレック・ザ・ミュージカル』
日時:7月8日(土)~16(日)、7月22日(土)~30日(日)
会場:日本青年館ホール
チケット情報は公式サイトへ
https://www.shrek-musical.jp/outline.html