photo: Kaori Nishida text: SYO edit: Kohei Nishihara(EATer) styling: Yohei Yoshida / yoppy hair & make-up: Shuji Akatsuka

WOWOWで映画を!そのレコメンドには愛がある。

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 約11年にわたり、WOWOWの映画情報番組「映画工房」のMCを務める斎藤工。彼が見た、WOWOWならではの映画愛とは?


「映画が与えてくれる“愛”を
 自分の生の言葉で伝えていきたい」
 

WOWOWの作品選定には
心をつかむ“強さ”がある

 AIによるレコメンド機能で映画を選ぶユーザーも増えているなか、WOWOWが標榜するのは「生身の人間ならではの映画レコメンド」。俳優・監督業に加えて、ミニシアター支援プロジェクト「MiniTheater Park」や移動映画館プロジェクト「cinéma bird」など、映画を届ける活動を精力的に行う斎藤工も、その姿勢に共鳴しているという。

 「僕は世代的に、映画評論家の淀川長治さんが映画と自分の間に入ってくれて、観賞時の味わいが深くなることを体験してきた人間です。だからこそ、AIの引き算に近い俯瞰的なセレクトとは異なり、キュレーションという形で人の思いが入ることの重要性を感じています。特にこれだけ娯楽が溢れていると、旧作を見る時間をなかなか捻出できない。何をするにも効率至上主義が世の風潮になってしまい、2時間かけて映画を見る意味を問われるようになりました。そうして旧作に触れる機会がどんどん遠のくなか、WOWOWは、黒澤明・成瀬巳喜男・溝口健二などの巨匠から日活ロマンポルノまで幅広く特集を展開して、旧作にも出合える機会をつくっています。選定者たちの『見てほしい、届けたい』という信念を感じますし、非常に大切なことですよね。僕自身、『映画工房』を通して出合った作品から多大な影響を受けていて、自分の表現にも生きている部分は大きい。恩返しではないですが、みなさんのいまの時間・これからの時間がより豊かになる、映画が与えてくれる“愛”を自身の生の言葉で伝えていけたらと思っています」
 

映画の紹介人としての信条
「長所がない映画はない」

 いちユーザーとして、映画ファンとして「テレビのチャンネルをザッピングしている時に、そこに留まる“強さ”を持ったラインナップがWOWOWにはある」と評価する斎藤。だからこそ、その長所を微力ながら伝えていきたいと意気込む。

 「自分自身の心に響く作品もあれば、あまり響かない作品も当然ながらあります。しかし、そういった作品に対して単純に「つまらない」「好みではない」という表現をしてしまうと、そこで終わってしまう。どんな映画でも、汗水を流している最前線の映画職人たちがいて、より良いものにしようとしている。その姿を見てきている人間としては、一刀両断してしまうことは避けたいと考えています。僕は『長所がない映画はない』と思っているので、嘘をつくわけでも過剰に何かを誇張するわけでもなく、自分の言葉で伝えるということをモットーにしています」

 消費文化が加速する今だからこそ、映画との出合いの場を守りたい――。穏やかな語り口ながら、斎藤の一つひとつの言葉には映画への情熱がにじむ。
 

邦題考案企画で意識に変化 
斎藤が次にやりたい企画は?

 旧作に限らず新作においても、WOWOWは日本未公開の海外映画を発掘・獲得して放送する特集も行なっている。それが「ジャパンプレミア」だ。

 「ジャパンプレミアの枠で放送したことでパッケージ化されたり、WOWOWが窓口としてレンタル市場への参入も行っています。例えばニコラス・ケイジの出演作など、一昔前だったらミニシアターで限定的にでも劇場公開されていたであろう作品が、ここ最近は日本未公開となってしまうことが多い。ミニシアターなどの衰退により、映画のアウトプットの場も減少しているなか、WOWOWのジャパンプレミアがより重要な存在になってきていると感じます。僕自身も未公開作品の邦題を考える企画に参加したことがあるのですが、とんでもなく大変でした(笑)。それまで邦題に好き勝手言っていた態度を改めましたね。WOWOWでなければ、映画がどうやってユーザーに落とし込まれていくかの流れを経験できなかったと思います」

 「映画工房」のMCを通して、国内外の映画のトレンドの変遷を肌で感じることも多いそうで「日本に来る海外の映画の当たり外れが少なくなってきたと感じます。日本映画においても、全体としての質はめちゃくちゃ上がっている」と総括する斎藤。質の向上を認識しているがゆえに、良作を埋もれさせたくない気概がより強まっているのだろう。WOWOWと共に歩み、進化し続けてきた彼の、次なる野望とは?

 「映画のポスタービジュアルをつくってみたいです。海外の作品と比べると邦画のデザインは定型化していたり、分かりやすさ重視な傾向がある。ポスタービジュアルをひとつのアートとして捉え、もっと美意識を追求してもいいのではないでしょうか」


斎藤 工
1981年8月22日、東京都生まれ。2001年に俳優デビュー。近作に映画『シン・ウルトラマン』ほか。監督としても精力的に活動し、短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS Season4」、『女優iの憂鬱/COMPLY+-ANCE』が9月2日に公開された。


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斎藤工×板谷由夏 映画工房

毎週金曜 後9:30[無料放送]
WOWOWプライムほか

 WOWOWで放送・配信する映画や話題の最新作の魅力を、映画を愛する俳優の斎藤工さんと板谷由夏さん、映画解説者の中井圭さんが語りつくす、映画との新たな出会いを提供する情報番組。WOWOWが放送・配信する多彩なジャンル、膨大な数の映画作品をキュレーションする役割も担う。



【斎藤さんの最新作も劇場公開中!】

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『グッバイ・クルエル・ワールド』

全国公開中!
出演:西島秀俊/斎藤工/宮沢氷魚/玉城ティナ/宮川大輔/大森南朋/三浦友和ほか
監督:大森立嗣
脚本:高田亮
©2022『グッバイ・クルエル・ワールド』製作委員会


WOWOWおすすめ映画3作品を
斎藤さんがレコメンド!
 

9/16(金)放送・配信

『アイダよ、何処へ?』

 「娯楽の枠の中でも特に重要なテーマを扱った作品です。約30年前の紛争を描いていますが、現在のウクライナ侵攻にも直結する映画だと感じます。劇中で最も悲惨なシーンを、あえて引いた子どもたちの目線で描く演出は、映画を作る人間の端くれとしても衝撃を受けました」

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©2020 Deblokada / coop99 filmproduktion / Digital Cube / N279 / Razor Film / Extreme Emotions / Indie Prod / Tordenfilm / TRT / ZDF arte

9/30(金)放送・配信

『スティルウォーター』

 「マット・デイモン演じるアメリカの右寄りな労働者と、カミーユ・コッタン扮するリベラルなフランスの舞台女優。敵対しそうな両者に対立が生まれないのが新しいですし、子どもへのまなざしにひとつの希望を見ました。物事における摩擦を減らす教えを授かりましたね」

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©2021 Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

10/5(水)放送・配信

『Endless Waltz エンドレス・ワルツ』

 「若松孝二さんは、世界に評価される日本映画の流れを作った監督の一人。この国の制作現場をアップデートしていくためにも、彼という“時代”から学ぶべきところは多いと思います。広田レオナさんと町田康さんの存在感も、圧倒的です。同等の強度を持った存在は思い当たりません」

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©1995松竹株式会社


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