いよいよバレンタインの秒読みが始まりましたね。東京・銀座の松屋で開催しているバレンタインチョコレートの祭典「GINZAバレンタインアベニュー」では、並み居るショコラティェに混じって、6人の和菓子職人がチョコを取り込んだ「和のスイーツ」を提案するべく奮闘しています。

バレンタインチョコの催事で、新進気鋭の和菓子職人6人の和菓子が一度に味わうことができます (写真・田中幸美)
今回ご紹介するのは、四代目、引網康博さんが活躍する富山県高岡市の「引網香月堂」。引網さんは、かわいらしい猫や犬、クマやサルなどの動物たちを練り切りで表現した「アニマル生菓子」で独自の世界を構築しています。そのレパートリーはなんと数十種類以上もあるといいます。

引網さんが創り出すアニマル上生菓子の数々。いずれもとてもかわいらしいデザインです

引網さんが作った招き猫
そんな引網さんのバレンタインのお菓子は、ネコの上生菓子と黄身あんの上生菓子を組み合わせた「春告猫」(はるつげねこ/972円・税込み・各日限定30個)です。
食べるのがもったいないくらいキュートなネコのお菓子は、引網さんがアニマル生菓子を作るきっかけとなったモチーフで、得意中の得意です。

ネコの上生菓子にはらラズベリーのあんが、黄色い上生菓子の芯には生チョコが入っています
ネコの生菓子にはほんのりラズベリーのあんを芯に入れ、練り切りで仕上げました。引網さんは「あんに梅を使うこともあるのでそれがラズベリーでもいいのではと考えました。決まりなどないというところを知ってほしいですね」と話します。また、ネコの生菓子がきっかけとなって、今まで和菓子に触れたことのない人にも触れ合ってほしいという思いもあるそうです。
黄色い上生菓子は、中心部に生チョコを置きピスタチオあんと黄身あんで包み、ピンクペッパーを添えました。生チョコは信頼を置くショコラティエのものを使っているそう。

ショコラティエに混じって超絶技巧を披露する引網康博さん
引網さんは、会場で動物や花などの上生菓子の実演を行っています。アニマル生菓子に加え、細かい細工が特徴の「ハサミ菊」という上生菓子も披露しています。より難しい小さいサイズの作品を芸術的に仕上げる技はぜひ見ていただきたいと思います。
引網さんは4年前、優れた和菓子職人であり、創作的な手づくり和菓子ができる技術があることを証明する「優秀和菓子職」に富山県で初めて選ばれました。
このチョコレートイベントは、その超絶技巧を間近にできるまたとないチャンスでもあるのです。

ハサミ菊と呼ばれるハサミを使って細かい細工を施す上生菓子の数々。どれも美しい日本の風景を表現しています
(写真はすべて田中幸美)
松屋の「GINZAバレンタインアベニュー」の詳細は、http://www.matsuya.com/m_ginza/sp/20170125_valenti...
引き網香月堂のホームページは、http://www.hikiami.co.jp/