実写では体験できないシーンが楽しい
公開中のアニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』に声優として参加した女優、蒼井優。歯科医院の〝お姉さん〟役として、小学4年生の主人公をかわいがりながら諭すような語り口に、落ち着いた声色がぴったりとはまっている。その分、繊細な演技を求められた。
「声をつくらず、トーンだけしか変えていない。高すぎず、低すぎない声を心がけました。自分の声のまま出演するのは、スリップ姿でロケをしているような気恥ずかしさがありました。いい経験でした」
これまでもアニメ作品などに参加し、女優と並び声優やナレーションといった「声」の仕事で高い評価を得る。魅力を聞くと、豊かな想像力を感じさせる答えが返ってきた。
「アニメは映像に自分の声を充てれば、そのシーンを体感できます。本作のように多数のペンギンと一緒に出演するなど実写で体験できないシーンは楽しい。声優さんは日々、実際はあり得ない体験ができて楽しいだろうなと思います」
これからどんなキャラクターや作品が、彼女の声で息を吹き込まれるか―現実を超えた世界にまで広がる活躍が楽しみだ。
あおい ゆう
1985年生まれ、福岡県出身。
2006年に『フラガール』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、新人俳優賞ほか多数の賞を受賞。近年の映画出演作は、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)など。『鉄コン筋クリート』(06)をはじめ、アニメーション映画への声の出演も多数
『ペンギン・ハイウェイ』
全国公開中
監督:石田祐康
キャラクターデザイン・演出: 新井陽次郎
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
出演:北香那/ 蒼井優ほか
原作:森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫刊)
制作:スタジオコロリド
配給:東宝映像事業部