“アート作品を鑑賞する”と聞くと、どこか堅苦しさを感じてしまう人が多いのではないでしょうか。同じアートでも音楽、映画はカジュアルなイメージですが、絵画や版画、彫刻などは「芸術」という格式高い雰囲気で、一気にハードルが上がるような気持ちになりますね。それは身近にない、なじみがないということから、先入観を持ってしまっているからかもしれません。
でも、この記事で紹介している作品を見て、あれこれ難しく考えず、パッと目に入った印象がすてきだと感じて読み始めたという人も多いはず。そんな優美で繊細なタッチが目を引く画家アルフォンス・ミュシャの作品を集めた展覧会が12月26日(水)、新宿でスタートしました。
チェコで最も有名な芸術家ともいえるミュシャは1860年に生まれ、27歳でパリに渡りました。ある伯爵の援助を受けてパリのアカデミーで絵画を学んでいましたがなかなか才能が認められず、ある日、援助を断ち切られます。その後、彼はポスターやグラフィック、本の挿絵を手掛けることで生計を立てていました。
「ジスモンダ」(1895年) OGATAコレクション
転機は34歳の時。女優サラ・ベルナール主演の舞台「ジスモンダ」のポスターを手がけたことで、一夜にしてスターダムにのし上がったのです。どこか神秘的でありながら、美しい女性像、繊細な植物文様、エレガントな装飾パネルは「ミュシャ・スタイル」と呼ばれ、今でも多くの人々を魅了しています。
晩年はルーツである故郷のチェコ、そしてスラヴ民族をテーマにした作品を次々と発表。50歳で故郷チェコに戻り、79歳でプラハで死去しました。
本展は代表作「ジスモンダ」をはじめ、ポスターや装飾パネル、当時販売された商品のパッケージ、さらにチェコに戻ってから制作した作品など400点以上を鑑賞することができます。
図録 2800円(上左)、ポストカード各種 各180円(上右)、丸子紅茶(紅富貴) 950円(1缶10g)(下右)、チョコレート 1200円(1缶15個入り)(下左)
ほかにも、オリジナルグッズの図録やポストカード、缶入りの紅茶やチョコレートなども販売されます。
毎週土曜には展示作品の解説や見どころについて、ミュシャの世界的なコレクターとして知られる尾形寿行氏によるギャラリートークイベントを開催。画家と作品についての理解が深まり、一歩奥深い視点から鑑賞を楽しめるはずです。
ミュシャのストーリーや世界的な評価を知らなくても、ひと目作品を見たれば、その素晴らしさの虜(とりこ)になる人は多いはずです。まずは足を運んで、植物模様や流れるような曲線が印象的なミュシャの作品に触れ、「アート鑑賞」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
アルフォンス・ミュシャ展
会場:小田急百貨店新宿店本館11階催物場(新宿区西新宿1-1-3)
会期:2019年1月7日(月)まで ※1月1日(火・祝)は休み
開催時間:12月31日(月)までは10:00~20:30 ※30日(日)は20:00、31日(月)は18:00閉場
19年1月2日(水)~7日は10:00~20:00 ※最終日は17:00閉場
入場料:1000円 大学・高校生800円 中学生以下無料
TEL:03-3342-1111(大代表)
http://www.odakyu-dept.co.jp/