夏の風物詩といえば花火。夜空に美しい花を咲かせ、一瞬にしてパッと消えていく刹那的な美しさは日本人の情緒に訴えるものがありますね。
今まさに全国で花火大会が花盛りです。そんな中7日、山梨県市川三郷町で行われた「神明(しんめい)の花火」を見に行きました。花火ファンの間では知られた大会ですが、一般には知名度はそれほどありません。しかし、江戸時代には水戸(茨城県)、三河(愛知県)と並び「日本三大花火」と称され、多くの見物客でにぎわったそうです。戦後一時途絶えたものの平成に入ってから約40年ぶりに復活。現在では旅行会社がツアーを組み大勢の人が訪れるほどの人気となりました。普段は人口約1万6000人ののどかな町が、この日は約20万人の見物客でにぎわいました。
随所から尺玉やなどさまざまな仕掛けの花火を組み合わせた「スターマイン」が上がり、目を離せません
2016年の神明の花火のテーマは「百花繚乱~市川三郷夏物語~」。2尺玉(20号)やそのワンサイズ下の尺玉(10号)をはじめスターマイン、メッセージ花火、競技花火、テーマファイアーなどさまざまな趣向と技巧を凝らした計2万発の花火が夜空を鮮やかに彩りました。
その魅力は、なんといっても目の前で打ち上げられる2尺玉などの大玉の迫力とストーリー性のある花火です。打ち上げ場所から最も多くの人が見物する笛吹川河川敷までは約500メートル。オープニングから2カ所で立て続けに2尺玉が打ち上げられると、観客はいっせいに歓声を上げながら花火の光跡を追いました。2尺玉は、地上から500メートルの高さまで上がり、直径約500メートルの大輪を咲かせます。頭の真上に来るので天を仰ぎ見過ぎて首が痛くなるほどです。
また、間弾なく打ち上げられるため夜空からなかなか目が離せない忙しさです。通常の花火大会よりも長い約2時間があっという間に過ぎました。そして、グランドフィナーレでは、さまざまな花火が入り乱れて打ち上げられ、辺り一面花火のまばゆいあかりに包まれて見たこともないような世界が広がりました。
市川三郷町企画防災課長の一瀬浩さんは「花火の内容については一度見れば絶対に満足していただける自信があります」と話し、町では冬場の花火大会の開催も視野に入れて検討を始めているということです。
まばゆい花火の世界が広がりました