京都には、境内に素晴らしい桜があったり、桜の植えられた庭を持つ寺院が少なくありません。
今回ご紹介する桜は、「東本願寺」(下京区)の飛び地にある国の名勝にも指定されている庭園「渉成園」(しょうせいえん)です。洛中では京都御所、二条城に継ぐ規模を持つ庭園です。
緑の小川が流れ、その回りにはピンクの桜が咲き誇ります
聞いたことないという人も多いかと思いますが、3万平方メートルの広大な敷地に、大小2つの池と茶室などがあり、春はたくさんの桜が咲き誇ります。渉成園は、地元の人たちの間では桜がきれいなことで有名な場所なのですが、観光客にはあまり知られていないため、他の桜の名所ほど激混みせずにゆっくり回れるのがいいですね。
さまざまな品種の桜が順番に咲きます
渉成園は、からたちが植えられていたことから別名「枳殻邸」(きこくてい)とも呼ばれ、この土地を徳川家光から与えられた宣如が「詩仙堂」を建てた石川丈山とともに作庭した池泉回遊式の庭園です。庭のほぼ中央にある「傍花閣」(ぼうかかく)という建物の周りには桜並木が広がり、まるで桃源郷のよう。山桜や薄紅のしだれ桜が、傍花閣を囲むように咲き誇っていて、見頃を迎えました。もちろん、こちらが最高の撮影ポイントです。
傍花閣の前に咲き誇る濃いピンクの修善寺寒桜
桜越しには京都タワーを臨むこともできます。
桜越しに臨む京都タワーもなかなかおつですね
京都駅から近く、おすすめの桜の名所です。帰りの新幹線までに時間があるのでもう1カ所桜を見たい…。そんなときにぜひ、渉成園を訪れてください。
(写真はすべて3月24日、田中幸美撮影)
◆東本願寺渉成園は、京都市下京区正面通間之町東玉水町。JR京都駅から徒歩約10分、開園は午前9時~午後5時(午後4時30分最終受け付け)、庭園維持寄付金は、大人500円。問い合わせは、☎075・371・1181。