京都には5つの花街があります。花街は京都では「はなまち」ではなく、「かがい」と言います。その花街で芸妓や舞妓たちの仕事始めにあたる「始業式」が行われました。
始業式にはどの芸舞妓も黒紋付きで、頭には稲穂や今年の干支の亥(イノシシ)のかんざしを刺しています。
京都市東山区の観光文化施設「ギオンコーナー」には五花街の1つ、祇園甲部の芸舞妓86人とお茶屋さんや芸事の師匠計約120人が集まりました。「新年おめでとうさんどす」「今年もよろしゅうおたのもうします」などとあいさつを交わし、とても華やいだ雰囲気でした。
「祇園の伝統を誇りとし、心の修養に努め芸の修得に励みましょう」という「芸舞妓の誓い」を全員で述べて式がスタートしました。始業式では昨年の売り上げ成績の上位者が表彰され、京舞井上流家元で人間国宝の五世井上八千代さんが恒例の地唄「倭文」を披露しました。祇園甲部の芸舞妓は井上さんの指導を受けて舞踊の修行に励んでいます。
今年成人式を迎える豆純さんは「成人としての自覚を持ち、1つ1つに責任をもって行動したい。芸にもしっかり励みたいです」と話していました。
また、やはり五花街の1つ、宮川町では、歌舞練習場で約100人の芸舞妓らが集まって始業式を行い、今年1年の精進を誓っていました。
芸事に熱心に取り組んだ芸舞妓の表彰などなどが行われた後、おめでたい長唄「鶴亀」芸妓によって披露されました。
京都ならではの世界がここにもあります。