身体的表現で新しい舞台作りを追求している「テトラクロマット」の第3回公演「風は垂てに吹く 愛していると言うかわりに、空を飛んだ」が8月18日から東京・武蔵野市の吉祥寺シアターで上演されます。「テトラクロマット」は、スタジオジブリの映画「かぐや姫の物語」の脚本を担当し数々の賞を受賞している脚本家の坂口理子さんと、300本以上のCM制作に携わっている演出家の福島敏朗さん、モデルとしても活躍する俳優の源さんが2012年に立ち上げた演劇ユニットです。「テトラクロマット」という耳慣れない言葉は、普通の人の100倍の色の判別ができる4色型色覚者のことで、普通とは違った感覚を持てるような演劇を目指すとの思いからこの名前をつけたそうです。
公演に先立ち、6月28日に、東京・中野でワークショップが行われました。劇団のワークショップは通常、稽古の一環として役者だけが参加しますが、「テトラクロマット」では、一般からも参加者を募り、出演する役者らと一緒に行います。振付家の美木マサオさんは、その理由を「僕自身が多くの人から違った視点での発想をもらいたいから。ワークショップはみんなの発想を引き出すことができるんです」と話します。

右は身体表現指導をする振付家の美木マサオさん
3時間半に及んだワークショップでは、重たい空気をイメージした動作や、2人1組となってお互いの腕の一部を常に接触させたまま流れるように動き回る、あるいは、2人が1本のロープの両端を持ってつながりながら動きを作り、見学している側がそれをどう捉えるかなど、全身を使って体で表現することに徹底的にこだわったものでした。
演出家の福島さんは、「ロープは、つながっていることで安心できる絆とそれによって起こるしがらみを表現しています。今回の舞台は、自由と不自由、明と暗、人はどのように愛と向き合っていくのかがテーマです」と話していました。

奥は主役の北川弘美さん

主役の北川弘美さん(左)と演出家の福島敏朗さん
今回主役を務める北川弘美さんは「このように人で空間や場面を作る舞台は初めての体験ですが、観客の方々にも、私たちと一緒に空や風を感じる体験をしてほしい」と目を輝かせていました。
次回ワークショップは7月6日。今回の公演では最終回のワークショップとなります。