好奇心旺盛で心優しい男の子ムーミントロールの世界を描いたフィンランド人の画家、トーベ・ヤンソン原作の「ムーミン」は誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。心温まるストーリーとそれぞれのキャラクターのかわいらしいビジュアルに心がほっこりしますね。
トーベの世界を引き継ぎ、トーベの残した3冊のムーミン絵本をもとに、新作絵本を描きおろすリーナ&サミ・カーラ夫妻の原画を展示する「ムーミン 絵本の世界展」が東京・銀座の松屋銀座で7日まで開催されています。
展示スペースには壁にミイの落書きもあり楽しい雰囲気です (写真・田中幸美)
ムーミンはアニメ化されて小さな子供たちにも大人気となり、今も子供たちの心をとらえます。トーベは童話やコミックを数多く描きましたが、実は子供も楽しめる絵本をあまり残していません。はじめてムーミンたちを絵本にした1952年の「それから どうなるの?」と、1977年出版の「ムーミン谷の ふしぎな旅」など3冊だけです。絵本は、モノクロで描かれた童話やコミックと異なり、豊かな色彩感覚を楽しむことができる人気のシリーズです。
今回、この3冊の絵本をベースにオリジナル作品が持つ世界観を保ちつつ、独自のユーモアを加えたカーラ夫妻の原画約80点を展示しています。さらに、トーベの絵本や映像と比較しながら制作過程も紹介しています。
トーベの童話やコミックなども多数展示されています (写真・田中幸美)
「ちびのミイがやってきた!」の彩色原稿 ©Moomin Characters
「Moominfamilys Songbook」の彩色原稿 ©Moomin Characters
小さな子供たちも楽しめる絵本を望む声が大きくなり、フィンランドの出版社はトーベの世界を引き継ぐことのできる新たなムーミン作家を探していました。そこでカーラ夫妻に白羽の矢が立ちました。カーラ夫妻は、主にリーナが筆ペンで絵を描きます。それをサミがコンピューターでデジタル処理をするそうです。テーマやストーリーは2人で決めます。私生活でも自然豊かな町で4人の男の子を育てるカーラ夫妻は、ムーミン一家を思わせる暮らしぶりをしているそうです。なんだかムーミン谷のシーンが目に浮かんできますね。
「ムーミン 絵本の世界展」の会場 (写真・田中幸美)
また、最近は「ちびのミイ」人気が盛り上がっているそうです。さまざまなグッズには必ずといっていいほどミイのバージョンがあります。カーラ夫妻による新刊絵本「ちびのミイ、かいぞくになる?」(徳間書店・1620円)も発売されました。松屋銀座コンテンツ事業家の友高彩夏さんは、「以前はミイはストレートにずけずけと物をいう空気が読めない子というイメージでしたが、今はハッキリした性格が受けているようです」と話します。
あなたのお気に入りのキャラクターに会いにムーミン絵本の世界に足を踏み入れてはいかがでしょうか。
種類も豊富なミイグッズ。どれもかわいいですね (写真・田中幸美)
ニョロニョロのふろしきなど珍しいグッズもとりそろえています (写真・田中幸美)
こんなかわいらしいTシャツもあります (写真・田中幸美)
「ムーミン 絵本の世界展」は東京都中央区銀座3-6-1の松屋銀座で、7日(水)まで。午前10時~午後8時(最終日は午後5時閉場、入場は閉場の30分前まで)。問い合わせは☎03・3567・1211。