麻布十番のビストロ コティディアンは絵に描いたような典型的なビストロ。スキンヘッドで髭をはやした須藤亮祐シェフは、いかにも骨太なビストロ料理を食べさせてくれそうなオーラを全開させながら迎えてくれます。
実際に須藤シェフが腕をふるうのはフランスの正統なビストロ料理ばかりです。それでも、フランス料理を食べ慣れた人なら、少しくらい雑であっても許されそうな一皿のなかに、どこか洗練された不思議な魅力を感じるかもしれません。
東京でフランス料理を手がける多くのシェフと同じように、須藤シェフも本場フランスで経験を積んできたのですが、特筆すべきは5年間のフランス滞在中に働いた5つのレストランは全てミシュランの星を2つか3つ獲得しているということです。まさしく須藤シェフは、公開中の映画「二つ星の料理人」で描かれているような、緊張感に満ちた厨房の中で毎日鍛えられてきたシェフと言えます。
その一方で、休みの日にはフランス人の仲間たちと一緒にビストロやブラッスリーで飲み食いを楽しみ、時には仲間の自宅に招かれて家庭料理を振る舞ってもらっているうちに、フランス人が日常生活で親しんでいる料理にすっかり魅せられてしまった料理人でもあります。
そんな須藤シェフが日本に戻り、フランスの料理に込めた想いが結実したのがビストロ コティディアンなのです。この店は、もしかしたら世界で唯一、ミシュランの2つ星と3つ星でしか働いたことがないというオーナーがシェフを務めるビストロかもしれません。
「ここで食べてもらう料理は全て昔ながらのビストロ料理。自分で考えて作ったオリジナルはありません」と、いさぎよく言い切る須藤シェフ。東京の暑い夏には、心地よく冷えた赤肉のメロンをレモン、生クリーム、オリーブオイルと一緒にミキサーにかけ、すばらしいポタージュを作ってくれます。
今年の夏は是非、この一皿を冷えたアルザスや南仏ラングドック・ルーションの白ワインと一緒に味わい、至福のひとときを過ごしてはいかがでしょうか?

ビストロ コティディアン
東京都港区麻布十番3-9-2 タモン麻布2F
03-6435-3241