17世紀にマレー半島に移住した中華系移民の男性と地元女性を祖先とするプラナカンの女性が身に着けてきた衣装を集めた展覧会「サロンクバヤ:シンガポール 麗しのスタイル つながりあう世界のプラナカン・ファッション」が、渋谷区立松濤美術館で開催されています。
サロンクバヤとは、美しいレースなどで装飾された上衣「クバヤ」と、色鮮やかな更紗(さらさ)の腰衣「サロン」を組み合わせたプラナカン女性特有のファッション。会場には、シンガポールで暮らすプラナカンの名門 リー家や、シンガポール国立アジア文明博物館などのコレクション約140点が展示されています。
18世紀から20世紀のサロンクバヤを見比べると、インドやジャワ島の更紗やヨーロッパから伝わった薄く透き通った木綿のオーガンジー、繊細なレースなどにさまざまな図柄や染色、プリントが施されており、交通の要衝に位置する地域に暮らした女性だからこそ身にまとうことのできたハイブリッドなファッションの歴史をたどることができます。
現在、最も有名なサロンクバヤは、シンガポール航空の女性客室乗務員の制服でしょう。シンガポールなどでは、クバヤとデニムをコーディネートして楽しんでいる若い女性も多いそうなので、展覧会を観て夏のファッションのヒントにしてみてはいかがでしょうか。9月25日まで。

上衣 1910年代 シンガポール国立プラナカン博物館所蔵、リー・キップリー夫妻寄贈 : 腰衣 1920–1925年 リー・キップリー夫妻所蔵 Copyright of Asian Civilisations Museum, Singapore.

Civilisations Museum, Singapore.

展覧会の外観
渋谷区立松濤美術館
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)
休館日:8月/月曜日 9月/祝日以外の月曜日、20日(火)、23日(金)
入館料:一般500円/大学生400円/高校生・60歳以上250円/小中学生100円(夏休み期間中は無料)