さまざまな社会課題を背景に、私たちを取り巻く環境は刻々と変化し、なかでも働き方は大きく変わった。これからはどのように働き、どう生きていけば幸せにつながるのか。長年、経営者として活躍し、ウェルビーイング※の大切さを提唱してきた芳子ビューエルさんに、そのヒントを聞いた。
※身体的、精神的、社会的な面も含め、個人が求める「幸福な状態」を意味する概念
幸福感をつかむ秘訣は、
“自分ファースト”で考えること。
働く女性の環境と価値観は、男女雇用機会均等法の施行(1986年)以降、ドラスティックな歩みを重ねた。「本当に変わったのは、ここ15年ほどのことだと思います。法律が施行されても、地方の中小企業に浸透するまでには、相当な時間がかかりました。都市部では女性の管理職の登用が進み、柔軟な働き方も広がりましたが、地方では『女性は補助的な役割』という考えが根強い企業も多く、まだ課題は山積していると感じています」。
都市部と地方、大企業と中小企業では女性の働き方に大きな差があり、自身の起業の際は、とても苦労したそう。「当時は女性経営者の信用が低く、一番のハードルは銀行融資でした。事業計画書をしっかりつくっても、本当に利益を出せるのかと、疑問視されることが多かったんです。少額の融資なら問題なくても、金額が大きくなると、審査が厳しくなりました。いまでは改善されましたが、『女性だから』という理由で壁にぶつかることが多かったですね」。
芳子ビューエルさんはカナダで8年半、学生として、社会人として生活。帰国し、会社を設立してからも仕事で北欧諸国へ頻繁に足を運んでいるため、外国人のライフスタイルとビジネスマインドにも精通している。「たとえば、北欧では仕事とプライベートの切り替えが徹底されていて、スウェーデンでは就業時間が終わると一斉に退社し、10時と15時には“フィーカ”と呼ばれる休憩時間をしっかり取ります。日本のように『区切りのよいところまで仕事(残業)する』という発想はなく、定時できっぱり退社し、プライベートを大切にする文化が根づいているのです」。
個人の心と体、社会が良好。国を挙げてウェルビーイングを実践しているのだ。「重要なのは、自分を大切にすることです。日本人は『会社が、社会が悪い』と他責思考になりがちですが、自分の人生は、自己責任。心がすり減る前に、ストレスの発散方法を見つけることが肝心です。最近では『ウェルビーイング=ヨガやピラティス』と考えている人が多いのですが(笑)、もっとも大切なのは心の健康です。運動や何かをして気を紛らわしても、心が疲れていたら、本当の意味で健康とはいえません。私は悩みを抱えると、自分の気持ちを書き出して心の状態を整理しています。私のウェルビーイングは書くことですが、趣味や旅行など、自分に合った方法を探してみるとよいと思います」。
仕事の目的は人それぞれだが、どんなときも“自分らしく”いたい。「自分が成長できる環境や、自分に合った働き方を見つけてほしいですね。とくに女性は、結婚や出産など、ライフステージの変化でキャリアを制限されがちですが、その枠にとらわれる必要はありません。柔軟に考え、自分の可能性を広げていってください」。
人生の大半を仕事に費やすからこそ、楽しまないと、もったいない。幸せは特別なものではなく、誰でも手に入れられるもの。その方法を、どうか見つけてほしい。
芳子ビューエル(よしこ・びゅーえる)
株式会社アルトスター代表取締役、株式会社アイデン代表取締役、ウェルビーイングアドバイザー、北欧流ワークライフデザイナー。経営者へのコンサルティングをはじめ、個人のメンタルヘルスや充実感を追求すべく、“幸せ”について考えるセミナーや、カウンセリングなども行っている。
芳子ビューエルさんの
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『北欧流 幸せになるためのウェルビーイング』
キラジェンヌ株式会社/1980円
人生をより豊かに、前向きに生きるためのアドバイスが詰まった一冊。多様な文化や経験を持つ著者ならではの視点で、心の持ち方や人間関係の築き方、幸せを引き寄せる習慣をわかりやすく解説している。忙しい日々の中でも、すぐに実践できるヒントが満載。

『経営者のゴール』
あさ出版/1760円
成功する経営者の思考法と行動原則を明らかにする一冊。経営者としてのビジョンの描き方、チームの成長を促す方法、持続可能な事業の構築など、実践的な知識が満載。変化の激しい時代に求められる経営のあり方を、具体的な事例とともに解説している。
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