illustration&text: 黄身子

ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ《今日も恋するARTガイド》


 恋愛不器用で何かとこじらせがちな女子、「空回りちゃん」。そんな乙女の恋するハチャメチャ劇場を入り口に、オススメのアートをゆる〜くご案内します。

不思議な文字が指すものは?

 彼に気持ちを伝えるため、不思議な文字(?)をつくり出した空回りちゃん。絵本・映像作家のショーン・タンの展覧会では、代表作『アライバル』の原画も公開され、そこに描かれた街の風景の中に、彼が生み出したオリジナルの「文字」を見ることができます。説明する文章がないことで異世界に迷い込んだ主人公の気持ちをリアルに体験することができる本作のほかにも、SF的な世界観の作品で知られ、世界中にファンの多いショーン・タン。どこかかわいらしい架空の生き物たちや緻密に描かれた風景には、戦争や災害など、現代社会の問題が反映されているともいわれます。世界観もその背景もじっくり味わいたい展覧会です。
 

ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ

会期:7月28日(日)まで
会場:ちひろ美術館・東京(練馬区下石神井4-7-2)
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月(祝休日は開館、翌平日休館)

metro199-art-01.jpgショーン・タン『アライバル』(河出書房新社)より 2004 ~ 2006年


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