本の町というイメージが強い神保町。しかし、実は個性豊かな雑貨屋の集まるエリアでもあります。思わずクスっと噴き出しちゃう遊び心のある雑貨、異国情緒漂うアクセサリー、歴史を感じさせるアンティーク…。そんな神保町の個性的な雑貨屋5店を紹介します。
神保町エリアの個性的な雑貨店を特集する「神保町雑貨屋帖」第1弾は、圧倒的な品揃えと歴史を誇る「文房堂(ぶんぽうどう)」。創業明治20(1887)年の老舗画材店で、「千代田区景観まちづくり重要物件」に指定されているというレトロな外壁は、大正11(1922)年に建造された社屋のものだそうです。見るからにいかめしいその外観に気圧されてしまいますが、窓をのぞくと、かわいらしいマスキングテープや雑貨の数々が見えますよ。さあ、足を踏み入れてみましょう。
7階まである建物のうち、吹き抜けのある1階は雑貨売り場になっています。実は文房堂は、ネコ雑貨の〝隠れ名所〟という人もいるほど、ネコ雑貨の取り扱いが多いのです。ちょっと気の抜けたネコの陶器製置物シリーズconcombre(コンコンブル)は、季節限定商品も多く、マニアにはたまらない品揃え。手のひらサイズの木彫りの動物polepole(ポレポレ)も、職人がひとつひとつ丁寧に手彫りした風合いや表情が人気の雑貨で、文房堂ではオオカミやパンダなどの人気の動物のほか、干支などさまざまな種類がそろっています。知育玩具コーナーに、みつろうクレヨンなど小さい子供向けの画材もそろっているのは、さすが総合画材店といったところ。
文房堂といえば、日本初の国産油絵の具を製造販売した会社として有名ですが、オリジナル油絵の具「アーチスト」も1階で購入できます。練りが堅く、絵画の表現を広げてくれる中間色のラインナップの多さから根強いファンも多いそうです。
2階は、日本一の売り場面積を誇るという版画材料フロア。消しゴムはんこの材料から、プロ向けの大きな彫刻刀や1つ9万円近くもするバレンまで取り扱っています。地下1階はステーショナリーのフロア。売り場面積がそれほど広くはない分、季節に応じてこまめに商品を入れ替えているそうで、たとえばレターセットやご祝儀袋などは、かわいさもありつつきちんと感を失わない品揃えに、バイヤーのセンスが感じられます。額縁売り場の6階では、フォトフレームも扱っています。それぞれのフロアには専門スタッフがおり、相談に乗ってくれますよ。
さて、お買い物を楽しんだあとは、3階の文房堂GalleryCafeで、神保町のすずらん通りを眺めながら優雅なコーヒータイムを楽しみましょう。