なんとも不思議な絵だ。近くで見れば単なる野菜や花を集めた絵なのに、少し離れると顔に見えてくる。視点を変えるとまるで違ったものが現れてくる。奇想天外な絵の作者は16世紀、ハプスブルク家の宮廷画家として活躍したジュゼッペ・アルチンボルド。日本で初となる本格的な展覧会が、東京の国立西洋美術館で開かれ、鑑賞者を幻惑させている。
代表作は「春」「夏」「秋」「冬」からなる連作「四季」。季節の植物や果実を組み合わせて人物が描かれている。なかでも一段と華やかなのが「春」だ。シャクヤク、アイリス、ユリなど、赤や黄や白の大小さまざまな花がちりばめられている。その種類は80種にも及ぶという。野菜と果物からなる「夏」は、ナスやトウモロコシなど当時としては珍しい野菜が登場する。

