「山海図絵(伊豆の追憶)」大正14(1925)年 木下美術館蔵

《東京》「不染鉄」展 「わが道」で到達した独創世界


 霊峰・富士を中心に、ほぼ左右対称のパノラマが広がる。縦186センチ、横210センチの大画面。山の裾野には家や田畑、列車など人の営みがあり、下方に入り組んだ海岸線と太平洋が描かれている。目をこらすと、細密な線による海の波間に、魚の群れやカニ、タコまで見える。

 この絵、すごく変だ。

 もう一度離れて見ると、富士の背後にはしんしんと雪が降り積もる里の風景が。その奥は日本海-。つまり、富士を挟んで日本海から太平洋まで俯瞰(ふかん)した絵なのだ。神の目のような壮大さと、舟を操る漁師まで丹念に描き込む細やかさが、一つの画面に共存している。ちぐはぐなのに、飽かずに眺めたくなる。

 描いた画家は、不染鉄。と言っても知る人はわずかだろう。何しろ美術館での回顧展は、21年前に奈良県立美術館で開かれた1回のみ。東京ステーションギャラリー(東京・丸の内)で開催中の「没後40年 幻の画家 不染鉄」展は、東京で初めて、その謎に包まれた画業を振り返るというものだ。代表作や新発見の絵画、絵はがき、陶器など約120点で構成している。

「薬師寺東塔の図」昭和45(1970)年頃 個人蔵


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