「ホットスポット」2013年 ステンレススチール、ネオン管(いずれも黒沢綾子撮影)

《広島》モナ・ハトゥム展 広島を忘れないために

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 このまま続くはずだった日常が、突如、暗転する。

 72年前の8月6日の広島でも、戦時下とはいえ、ある瞬間を境に生命や暮らしが壊滅的に失われるとは、誰が予想しただろう。

 「その日の名残」と題した作品がいま、広島市現代美術館で展示されている。焼け焦げ炭化した木片だが、かろうじてそれらがベッド、テーブル、大人と子供が座る椅子であることがわかる。そこにいたはずの、家族の気配も。作者は英国を拠点に国際的に活躍するアーティスト、モナ・ハトゥム(65)。第10回ヒロシマ賞の受賞を記念し、日本初の個展が同館で開かれている。

 ハトゥムは1952年、中東戦争で祖国を追われたパレスチナ人の両親の下、レバノンの首都ベイルートで生まれた。75年、英国を旅行中にレバノン内戦が勃発、家族と離ればなれのまま帰国できなくなる。以降、ロンドンにとどまって美術を学び、生まれながらにして異境で生きる自己の複雑な境遇をもとに、表現を始めた。

#作品「細胞」の中央に立つモナ・ハトゥム


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