ピクトリアリズム(絵画主義)からモダニズムへ。「新興写真」と呼ばれる1930年前後のムーブメントに焦点をあてた展覧会「『光画』と新興写真 モダニズムの日本」展が東京都写真美術館で開かれている。絵画的な構図や描写が多数派だった時代に、写真にしかできない独特の表現を志した人たちがいた。写真の存在意義を自問するかのような作品群は、色あせない魅力に満ちている。 (篠原知存)
会場で存在感を放っているのが野島康三による女性の肖像写真だ。美麗に端正に撮るのではなく、輪郭が切れるほどのクローズアップを使ったり、あえて強い陰影を入れたり。しわや肌の質感などもはっきりと描き出す。
あるいは、チェーンやバネなどを組み合わせた中山岩太の静物写真。主役は造形的な面白さ。何を被写体にするかより、画面に現れるもの(作品性や作家性)を重視していることをわかりやすく示している。
