「東京のフランス料理は素晴らしい!」と絶賛するフランス人は多いですが、彼らが首をかしげるのはレストランの名前です。どうやら東京には、味は良くても、名前が意味不明であったり、中には信じられないようなものが少なくないようです。
そんな中、フランス人も納得する名前の店が、京王線の幡ヶ谷駅から5分少々歩いた所にあります。その名は、「オー・ペシェ・グルマン」。このフランス語をセンスの悪い人が訳すと「暴飲暴食の罪」となってしまいますが、これはフランス人の70%が信仰するカトリックの教えの中にある、人を罪に導く7つの欲望や感情の中の一つ、暴飲暴食のことです。グルメなフランス人は、濃厚なチョコレートのデザートなど、やめたくてもやめられない大好きなものを、 “C’est mon péché gourmand” (私のペシェ・グルマン)と呼ぶこともあり、この店のオーナーでシェフを務める吉澤美智子さんは、センス良く「食いしん坊の罪」と訳します。
吉澤さんはフランス語の翻訳だけでなく料理のセンスも抜群です。本人は「オー・ペシェ・グルマンは単なる食堂で、お出しする料理は酒の肴」と謙遜しますが、味わってみれば、単なる酒の肴ではなく、本場フランスを感じさせてくれる丁寧な料理であることが分かります。
フランス東部の小さな村 ヴォナにあるミシュラン3つ星のジョルジュ・ブランで〝修行〟した経験のある吉澤さんは、幡ヶ谷で店を開く前に再び渡仏。南部コート・デュ・ローヌにある家族経営のホテル・ベルヴューで働きながら、オーナー・シェフのジャン・パレさんからメニューにある全ての料理のレシピを教えてもらってきたそうです。パレさんはレシピだけでなく、オー・ペシェ・グルマンという店名を授けてくれた恩人でもあります。
もちろん、吉澤さんは、本物の食いしん坊。是非、そんなシェフの作るカジュアルなフランス料理を親しい人たちと一緒に味わってみてください。

野菜スティックのアンチョビ・ソース© Waki Hamatsu
オー ペシェ グルマン
渋谷区幡ヶ谷2-24-2
03-6276-6332