来年こそ…。悔しさを乗り越え、前を見つめる
「昨年は…苦い思い出になったシーズンでした」。開幕戦を翌月に控えたオフシーズンの8月。辻選手は神妙な面持ちで昨シーズンを振り返る。バスケットの名門校である京都・洛南高校、青山学院大学を経て、2012年に東芝ブレイブサンダース(現・川崎ブレイブサンダース)へ。NBL時代にはチームの優勝にも貢献し、MVPを獲得したこともある。3Pシュートと勝負強さを武器に、輝かしい戦績を収めてきた。
だが、昨シーズンは怪我に悩まされた。チームもチャンピオンシップのファイナルまで駒を進めたが、あと一歩のところで惜敗。悔しさを胸に、このオフは常日頃心掛けている「シューターとして点が取れて、味方も生かせる」バスケスタイルを磨き上げている。
このチームに所属して6年目。公私ともにホームタウンである川崎の街はとても居心地がいいという。休日の過ごし方について尋ねると、表情がほころんだ。「休みは、温泉、ゴルフ、あと競馬もします。多趣味なんです(笑)」。とはいえ、昨年には第一子も誕生した。だから休みは家族で過ごすことが多いという。
2017-18シーズン、ブレイブサンダースは中地区から東地区へと地区替えをする。東地区は、王者の栃木も所属する激戦エリア。昨シーズン以上に厳しい戦いが予想される。「うちは、若い選手が多いチームなんです。だから、勢いに乗れば強いはず。僕が先陣を切って開幕戦からガツガツいきたいですね。そして、最後はもう一度ファイナルの舞台に立って、今度こそ優勝します」。まっすぐ前を見つめて、そう語る辻選手。覚悟はもう、十分できている。
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〈つじ なおと〉
from 大阪府
birthday 1989年9月8日
height 185cm
weight 82kg
青山学院大学では、全日本大学選手権を2連覇。卒業後、東芝ブレイブサンダース(現:川崎ブレイブサンダース)に入団。NBL2015-16シーズンでは優勝に貢献し、MVPにも選出された。リーグトップクラスのシューターとしてチームを引っ張る

≪川崎ブレイブサンダース≫
神奈川県川崎市を本拠地とし、チームカラーは赤・白・黒。昨シーズンはチャンピオンシップファイナルまで残るも、栃木ブレックスに惜敗。今シーズンより所属地区が中地区から、Bリーグ屈指の激戦区とも言われる東地区へ移動する。
設立:1950年
ホームアリーナ:川崎市とどろきアリーナ
マスコット:ブレイビー
https://kawasaki-bravethunders.com/
辻選手の試合情報はこちらから http://www.bleague.jp
★メトロポリターナ誌9月号に掲載