楽しさを表す「音符」や焦りの「汗」、怒りの「青筋」…。『この世界の片隅に』などで知られる漫画家、こうの史代さん(49)の最新作『ギガタウン 漫符(まんぷ)図譜』(朝日新聞出版)は、これら漫画特有の表現「漫符」を分かりやすく紹介した“事典”だ。作中のキャラクターは、国宝の絵巻物「鳥獣人物戯画」がモチーフ。動物たちのコミカルな日常を漫符を使ってユーモラスに表現した。
「漫符は感情を端的に説明できる便利なものです。ただ、最近の漫画はリアル志向なこともあり、漫符は減っています。読み方を紹介する本があった方がいいと前から思っていました」
こうのさんは、執筆の背景をこのように振り返る。
漫符の一部は「Emoji(えもじ)」として海外でも通じるほど普及しているが、その身近さゆえか、漫符の意味や定義は、きちんと扱われてこなかった。漫画家が自身の絵で、漫符の意味を系統立てて整理したのは本書が初めてとみられる。