2014年8月、イラク北部にあった少数民族ヤズディの村々が突然、過激組織「イスラム国」(IS)の侵攻を受けた。男性と高齢者は次々に殺され、女性と子供は暴行され拉致された。ISは「奴隷制の復活」を宣言し、生き残った人たちは支配地域内で孤立した。
「宗教は違っても、同じ土地で同じように暮らしてきて、一緒にピクニックに行って結婚式にも招待し合った友人も、突然 ISの協力者になったりした。そんな話を聞いて『信じられない』っていうと、ヤズディの人たちも『僕らだって信じられないんだ』って」
写真家の林典子さんは、15年から16年にかけてイラクやドイツの避難先で取材。彼らの凄惨(せいさん)な体験談に耳を傾け、生活を共にし、破壊されたかつての村を訪ねて新作写真集『ヤズディの祈り』(赤々舎)を刊行した。

